中国の「氷雪経済」は力強い発展を続ける
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【12⽉30⽇ Peopleʼs Daily】2023~2024年の冬のシーズンに中国・黒竜江省(Heilongjiang)ハルビン市(Harbin)を訪れた観光客は前年同期比300%増の8700万人超で、観光収入は同500%増の1248億元(約2兆5800億円)だった。吉林省(Jilin)の観光客は前年同期比121%増の1億2500万人で、観光収入は同140%増の2419億元(約5兆円)だった。スキーの名所として知られる新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)アルタイ市(Altay)の観光客は前年同期比36%増の488万8000人で、観光収入は同45.8%増の51億元(約1050億円)だった。
中国でウインタースポーツを楽しむ人が大幅に増えたきっかけは2022年の北京冬季五輪とパラリンピック開催で、用具の需要が激増し、ウインタースポーツを楽しむために旅行する人も増えた。中国ではこれらの現象が氷雪経済と呼ばれている。氷雪経済の規模は2027年には1兆2000億元(約24兆8000億円)で、2030年には1兆5000億元(約31兆円)になると見込まれている。
ウインタースポーツには用具が欠かせない。そして、その用具の製造販売は、氷雪経済の重要な構成要素だ。中国には2015年時点で約300社の関連企業が存在したが、2023年には約900社になった。2015年には50億元(約1030億円)に満たなかった売上高は、2023年には約220億元(約4550億円)に達した。また、産業の規模が拡大するだけでなく、技術と品質も着実に向上した。
5Gや人工知能、仮想現実(VR)などの技術を応用したウインタースポーツ用具も出現している。例えば、VR技術を利用したスキーシミュレーターを使えば、自宅でもスキーを体験することができる。スマートスキー靴を使えば、両足の圧力や運動加速度、滑走経路などのデータを収集することができる。発熱機能のある雪上スポーツ靴を使えば、セ氏氷点下25度の環境下で2.5~5時間の間、足を暖かく保てる。人々は新たな技術のおかげで、今まで以上に多彩なウインタースポーツの楽しみ方ができるようになった。今後も新技術を取り入れたウインタースポーツ用具が次々に登場して、多様化や個性化が進む消費ニーズに、より良く対応していくはずだ。
ウインタースポーツを楽しむためには、施設も不可欠だ。中国には2015年時点で、ウインタースポーツ施設は700か所強しか存在しなかったが、2023年末時点では2847か所に達した。ただし、中国ではウインタースポーツの普及開始が遅かった関係で、質の良い施設がまだ少なく、アウトドアスポーツキャンプの建設も遅れている。またウインタースポーツ施設の周辺の各種サービス施設もまだ不十分な状態だ。国家発展改革委員会社会発展局の彭福偉(Peng Fuwei)副局長は、地方政府および社会各界に力を十分に発揮してもらい、ウインタースポーツ施設に付帯するサービスの水準を向上させていく考えを示した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News