中国の研究者 「高分子」をスムーズに通過させる「スーパー分子ふるい」の開発に成功
このニュースをシェア

【12月14日 CGTN Japanese】中国科学院青島バイオエネルギー・プロセス研究所の研究チームはこのほど、新材料「ZMQ-1分子ふるい」の開発に成功しました。これにより、従来の素材では「高分子」を処理できないという問題が解決されました。この成果は北京時間12日、国際学術誌『ネイチャー』に掲載されたということです。
分子ふるいとは、その名の通り、各物質の分子の大きさに応じて特定の分子をふるい分けることができる材料の一種で、化学、エネルギー、環境保護などの産業分野で広く使われています。しかし、従来の分子ふるいは目が細かすぎて比較的大きな分子をふるい分けることができないため、その活用が限られるという課題がありました。
中国の研究チームが開発した「ZMQ-1分子ふるい」は、この課題を解決するためにデザインされた特殊な「型」ともいえます。この分子ふるいは目が粗く、大きな分子を妨げずに通過させることができます。また、高温、水蒸気などの特殊な環境下でも非常に安定して分子のふるい分け作業を行うことができます。
この分子ふるいは化学生産プロセスをより効率的に、より環境に優しいものにすることができます。例えば、石油加工の過程では、この素材は重油をより効率的にガソリンとディーゼルに転換することができ、転換率は現在の65%という平均レベルをはるかに上回る80%以上に達します。同時に、この新素材による転換方法ではコークス、廃ガスなどの副産物を減らすこともでき、より環境に優しい「低炭素」という効果も上げられます。バイオマス処理の分野では、この新素材はバイオ廃棄物をディーゼル、アルコールなどの応用価値のある化学品に転換することができます。また、ファインケミカル製品の製造やガス貯蔵などの分野でも、工業生産に必要なエネルギーを節約し、消費量を削減することもできるということです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News