CNS論評:傷害事件に直面しても、中国社会は常に善良と正義の側に立つ
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【9月20日 CNS】中国・広東省(Guangdong)深セン市(Shenzhen)の日本人学校で10歳の日本人男児が刺されて亡くなる事件が発生し、広く注目を集めている。19日の外交部の定例記者会見で、林剣(Lin Jian)報道官は「中国側はこの不幸な事件に対して深く遺憾と悲しみを感じている」と述べ、事件の調査が現在も進行中であることを明らかにした。
10歳という年齢は、本来なら活力と希望に満ちているはずだが、この命は突然絶たれた。この悲劇は、被害者の家族に大きな痛みをもたらし、多くの人びとが心を痛めている。SNS上では、多くの中国人がこの命の喪失に対して哀悼の意を表明し、未成年者に対する暴力行為を強く非難している。これらの反応は、中国社会が持ち続けている価値観を如実に表している。どのような理由であれ、無防備な女性や子どもに対する暴力は犯罪であり、どのような状況でも、文明や法律の一線を越えてはならない。
中国政府も市民も、善悪に対する基準は一貫している。中国政府はどのような違法行為も容認せず、中国国民が守るべき基準は、文明と法治である。この事件でも、加害者には法律に基づく公正な裁きが待っている。
事件が発生した後、一部では、この偶発的な事件を外国人の安全問題に結び付けようとする声や、事件の責任を憎悪感情に転嫁しようとする意見も見られた。例えば、今年6月に発生した日本人母子が江蘇省(Jiangsu)蘇州市(Suzhou)で襲撃された事件を例に挙げ、これを偶発的な事件ではないと主張する者もいる。しかし事件を外国人の安全問題に結び付けようとする一部の意見は、その事件で命を顧みずに立ち向かい、重傷を負って亡くなった胡友平(Hu Youbing)さんの存在を意図的に無視している。また、胡友平さんが倒れた後、危険を顧みず犯人を取り押さえた3人の市民の行動も無視している。彼らこそが、善良で正義を重んじる中国の大多数の普通の市民を象徴している。中国政府が胡友平さんらを称賛したことは、中国が正義を守り、正しい行いを推奨していることをはっきりと示している。
中国では、憎悪を煽る発言があったとしても、それを見過ごすことはない。近年、中国の複数の政府機関が連携して、ネット上での過激な感情の発散や憎悪の煽動に対する対策を強化している。最近では、複数のインターネットプラットフォームが「中日対立を煽る」や「極端な民族主義を扇動する」違反情報の取り締まりを行った。これは、中国の主流社会が冷静かつ理性的に対応している証拠である。
中国において、極端な暴力事件はあくまで偶発的なものであり、決して常態化することはない。大多数の中国人は穏やかで善良、そして正義を重んじており、ごく少数の犯罪者による悪質な行動が彼らの評判を損なうことはない。一方で、犯罪に対しては断固として立ち向かうと同時に、悪意ある誹謗中傷や対立を煽る行動には「ノー」と言わなければならない。
このような痛ましい傷害事件はどの国でも完全に防ぐことは難しい現実があるが、中国では暴力や治安の問題が顕著ではなく、平和と安定が常態となっている。統計によれば、過去5年間で深刻な暴力犯罪の件数は10.7パーセント減少しており、10万人当たりの殺人事件発生率は0.46件となっている。多くの外国人が「中国は世界で最も安全な国の一つ」と評価しており、また「China travel(中国旅行)」ブームも、中国の安全性と友好性を裏付けている。
深セン市は開かれた都市であり、改革開放やインフラの整備を含む近代化計画の象徴ともいえる場所だ。ここには、中国と他国との協力によって築かれた友情も含まれている。国際情勢が不安定となり、対立が深まる中であっても、この「開かれた扉」はさらに大きく開かれていくだろう。そして、この友情は今後も続いていく。中国はこれまで通り、外国人が中国で働き、学び、旅行することを歓迎し、彼らが調和の取れた、安全で健康的な環境で過ごせるよう、引き続き努力していく。(c)CNS/JCM/AFPBB News