【7⽉29⽇ Peopleʼs Daily】地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が全面発効したのは2023年6月2日だった。その後1年余りで、加盟15か国の間で物と人、資本と情報などの流動性が多いに高まった。

 2023年のRCEP域内貿易は2021年比でやや増加して5兆6000億ドル(約882兆円)だった。同年にRCEP地域が誘致した新規投資は前年比で29.8%増、2021年比では2.2倍の2341億ドル(約36兆9000億円)だった。

 輸入ベンゼン6000トンを積んだタンカーが中国・広東省(Guangdong)の恵州港の埠頭(ふとう)に接岸した。中海壳牌石油化工が、RCEPによる関税優遇を享受してベンゼンを輸入するのは今年8回目だ。同社の周欣(Zhou Xin)通関マネージャーは、「ベトナムからのベンゼン輸入では2%だった関税が撤廃されました。コスト節減は約700万元(約1億5200万円)です。輸入量が増加し、国内市場の需要により良く対応しています」と述べた。中国企業がRCEPにより享受した関税の減税額は2023年通年で23億6000万元(約511億円)に達した。

 中国の輸出企業からは、関税の優遇は輸出相手に利益をもたらすので、海外の顧客を維持する上で大きな意義があるとの声が出ている。

 RCEPの目玉の一つとして、認可輸出業者の資格を取得した企業の自主発行した原産地声明が税関発行の原産地証明と同等の効力を持つ。今年になり認可輸出業者になった江蘇常発農業装備の胡向宝(Hu Xiangbao)海外マーケティング副マネージャーは、「原産地声明はいつでも発行でき、貿易がより自由で便利になりました。この資格は会社のイメージを高め、貿易のパートナーシップを強化する上でも意義があります」と説明した。

 中国とRCEPの他の加盟国間の貿易と投資の往来は活発だ。2023年に中国とRCEPの加盟国との貿易総額は2021年比で5.3%増の12兆6000億元(約273兆円)に達した。投資も引き続き増加し、2023年には中国からのRCEPの他の加盟国に対する非金融系直接投資は前年比26%増の180億6000万ドル(約2兆8400億円)に達した。この成長率は、中国から世界全体に対しての投資の伸び率を14ポイント上回った。

 RCEPの質の高い実施を推進するため、中国国際貿易促進委員会はRCEP経済貿易協力ハイレベルフォーラムなどの活動を数十回開催し、研修を数百回開催し、「自由貿易協定ビジネス応用ガイドライン」「自由貿易協定普及および応用優秀事例集」などを作成して企業のRCEP活用を支援している。

 中央政府商務部の関係責任者は、2024年に務めるRCEP共同議長国の立場を十分に活用し、各方面の高水準な契約履行をけん引し、協定の地域全体での実施効果を絶えず高めていくと述べた。同時に、企業がRCEPなどの自由貿易協定の優遇措置を十分に活用するための支援も引き続き行っていくという。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News