【5月24日 Xinhua News】中国雲南省昆明市の花農家、李施存(り・しそん)さんと妻の韓美仙(かん・びせん)さんは早朝6時にバラ畑に入り、白バラの収穫を始める。数時間後、摘み取ったバラは50キロ離れた同市の斗南花卉(かき)取引市場に送られる。生花は、卸売業者や競りを経て再び出荷され、対面販売、コールドチェーン輸送などによって、40余りの国・地域の消費者の手に届けられる。

 昆明斗南花卉取引市場は、アジア最大の切り花取引マーケットで、毎日切り花1600種以上、4千万本が取引され、中国における切り花取引の「風向計」や「バロメーター」、世界中の生花業者の主要調達拠点となっているだけでなく、同市の人気観光スポットにもなっている。

 市場内は観光客が絶えず、バラ、コウシンバラ、ヒマワリなどの切り花が大小さまざまな花束となって消費者に提供されている。販売店の郎宇(ろう・う)さんの売り場前では、多くの観光客が花束を手に写真撮影している。

 今月12日の母の日に、郎さんの店では花束が飛ぶように売れた。郎さんは「ピンク系、赤系の花束が最も人気で、注文数は普段よりかなり多かった」と話し、伝統的なカーネーションやバラ以外に、シャクヤク、アジサイなども祝いの日の「新たな定番」になったと紹介した。

 中国の花卉主要産地として、雲南省は、世界の生花市場における影響力が高まり続けており、母の日やバレンタインデーなどに伴う消費「浪漫経済(ロマンチックエコノミー)」は、中国から東南アジア、欧州などの国際市場に拡大している。昆明税関の統計によると、2023年の同省の切り花輸出額は5億7千万元(1元=約22円)に達し、5年連続で中国首位となった。

 同省の磨憨(モーハン)口岸(通関地)の中匯国際物流センターから2キロの新貨物レーンでは、同省の生花を満載したコールドチェーントラックが整然とモーハン道路口岸から国境を越え、ラオス、タイなどの東南アジア諸国へと向かっている。23年の同口岸からの切り花輸出額は、前年比39・3%増の1億5千万元に上り、中国で切り花輸出額の最も多い辺境陸路口岸となった。

 24年1~4月の同省切り花輸出量は前年同期比27・2%増の1万400トン、輸出額は25・0%増の2億4100万元となり、「雲花(雲南フラワー)」は中国と世界市場を結ぶ美しいアイテムとなっている。(c)Xinhua News/AFPBB News