【2月5日 AFP】中国でスパイ罪に問われたオーストラリア国籍の作家、ヤン・ジュン(楊軍、Yang Jun)氏に対し5日、執行猶予付きの死刑判決が言い渡された。

 2019年から中国当局に拘束されているヤン氏は容疑を否定している。支持者には、秘密の拘置施設で拷問を受けて強要された自白が不利になるのではないかと恐怖を語っていた。

 中国生まれのヤン氏は亡命先のオーストラリアでスパイ小説を執筆し、祖国の自由拡大を訴えてきた。

 中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は5日、「裁判所はヤン・ジュンについてスパイ行為で有罪と認定し、執行猶予2年付きの死刑判決を言い渡し、また全財産を没収した」と発表した。

 ペニー・ウォン(Penny Wong)豪外相は会見で「豪政府はこの結果に非常に驚いている。最も強い言葉で非難する」と述べ、駐豪中国大使を召喚する意向を示した。

 ヤン氏の友人は昨年、同氏は腎臓に嚢胞(のうほう)ができており、適切な治療を受けられずにこのまま死ぬことを恐れていると明かした。

 友人や支持者に宛てたメモには、「もしも私の健康に何かが起きてここで死んだら、外にいる人々が真実を知ることはないだろう」と記していた。(c)AFP