【1月5日 AFP】イスラエルのヨアブ・ガラント(Yoav Gallant)国防相(リクード)は4日、イスラム組織ハマス(Hamas)掃討作戦終了後のパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)について、ハマスもイスラエルも統治しないとの戦後統治案を示した。ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相率いる戦時内閣に提出する前に報道陣に計画の概要を公開した。

 概要によれば、ハマス掃討作戦は、昨年10月7日に拉致された人質の解放を確実にし、ハマスの軍事部門と政治部門を解体し、残存する軍事的脅威を取り除くまで続けられる。

 その後は「ハマスがガザを統治せず、イスラエル国民の安全保障上の脅威でなくなる」新たな段階が始まる。「ガザ住民はパレスチナ人であることから、イスラエルに敵対したり脅威を与えたりしない条件で、複数のパレスチナ人の組織が責任を負う」としているが、「複数のパレスチナ人の組織」にどの組織が含まれるのかは明らかにしていない。

 また、イスラエルはガザ内で活動する権利を留保するが、「戦争目的が達成された後は、イスラエルの民間人はガザ内にとどまらない」としている。

 イタマル・ベングビール(Itamar Ben Gvir)国家治安相(ユダヤの力)は1日、極右のベツァレル・スモトリッチ(Bezalel Smotrich)財務相(宗教シオニズム)に続き、戦後について、ユダヤ人に再入植を呼び掛けるとともに、パレスチナ人に地区外への移住を奨励すべきだとの考えを示していた。

 この呼び掛けはアラブ諸国だけでなく重要な同盟国である米国からも非難された。

 米政府は戦後のガザについて、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)に本部を置くパレスチナ自治政府による統治の「復活」を提案している。

 ガラント氏の戦後統治案は、アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官がガザへの人道支援強化と、ガザ紛争の周辺地域への拡大を阻止するため中東を訪問する前日に公表された。(c)AFP