【11月11日 AFP】ドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相は9日、イスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)の一連の衝突を受けて反ユダヤ主義が高まっている事態は「国辱」だとし、ユダヤ人の保護を表明した。

 この日は1938年のユダヤ人迫害事件「水晶の夜(Kristallnacht)」から85年に当たり、ショルツ氏は、先月火炎瓶2本が投げ込まれたベルリンのシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)で行われた追悼式典で演説した。「水晶の夜」事件は、第2次世界大戦(World War II)中にナチス・ドイツ(Nazi)によって欧州のユダヤ人約600万人が犠牲になったホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)の前兆となった。

 ショルツ氏は、「これは1945年以来、数十年にわたって(ドイツが)約束してきた『二度と繰り返さない』という誓いを守ることにほかならない」と主張。

「二度と繰り返さない」とは、ナチスの残虐行為の記憶を生かし続け、「テロのプロパガンダ」を拒否し、そして国民と移民に対して等しく、多様性と尊重を要求・保証するドイツの「自由で民主的な秩序」を確実に重んじるようにさせることだと続けた。

 さらに、ドイツが過去に犯した罪の重さを考えると、国内における反ユダヤ主義の高まりは「国辱」であり、「憤慨し、深く恥じている」と述べた。(c)AFP