【10月27日 Xinhua News】中国北京市延慶区にある八達嶺長城西区間の建造物基礎部分から、石に火薬を詰めた手投げ爆弾「石雷」59個が整然に並べられた状態で出土した。同市で13日に開幕した「2023北京パブリック考古学シーズン」で発表された。発掘関係者は、同建築物が長城沿線で武器を保管する倉庫の跡であると総合的に判断。北京の長城の考古学調査で同様の性質を持つ建造物が見つかるのは初めてという。

 北京市考古研究院の尚珩(Shang Heng)副研究員は、長城沿線には同様の武器庫が多く存在している可能性があり、これまでの常識を覆すことになると述べた。石雷は「古代の手りゅう弾」と呼ばれており、明代の長城防衛では一般的な兵器だった。

 尚氏は「どうってことのない石に見えるが、穴が開いており、火薬を詰めることができる。敵にぶつけることもできるし、爆発させれば不意打ちの効果もあった」と説明した。

 八達嶺長城西区間の調査では、敵台(防御施設)や馬面(城壁の張り出し部分)、登城通用門、城壁の一部も見つかった。うち、内部が空洞ではない「実心敵台」の上部に設けられた石積みの砲台施設は北京地区で初めての発見となった。60号、61号敵台の内部では、北京で過去最多となる400個以余りの石雷も見つかった。北京の長城調査では、これまでも敵台上部で明代のオンドルやかまどなどの生活施設跡を発見。鍋や皿、碗、はさみ、シャベルなどの生活道具も出土し、明代の国境警備兵の日常生活が復元されている。(c)Xinhua News/AFPBB News