【10月3日 Xinhua News】中国のコーヒー産業の規模はここ数年、急ピッチで拡大しており、2020~22年の3年間で1364億元(1元=約20円)から2007億元に急増し、中でも22年は前年比21・6%増えた。生活関連サービス大手の美団などがこのほど共同で発表した「2023年中国都市コーヒー発展報告」で明らかになった。

【写真特集】「中国コーヒーの都」 雲南省普洱市

 市場調査会社の艾媒諮詢(iiメディアリサーチ)は、飲食に対する中国消費者の意識が大きく変化し、コーヒーが日常生活に普及しつつあると指摘。中国のコーヒー市場は急成長段階に入り、20~25年の年平均伸び率が27・5%となり、25年の市場規模が1兆元に上ると予測している。

 同報告によると、中国本土にあるカフェの店舗数はこの2年に10万1500店から13万2800店に急増し、上海、北京、成都、広州、深圳の5都市でいずれも4千店を超えた。上海は8530店で、店舗数が世界最多の都市となった。

 コーヒー消費量の増加は川上のコーヒー豆相場を押し上げている。飲食関連データを取り扱う紅餐大数拠が発表した「雲南コーヒー豆産業発展報告2023」によると、中国のコーヒー豆主産地である雲南省では23年、1キロ当たりの価格が12年以降の最高を更新し、低迷期の1キロ当たり13元未満から37~38元に上昇した。

 米コーヒーチェーン大手スターバックスのラクスマン・ナラシムハン最高経営責任者(CEO)はこのほど、「中国での投資を引き続き増やす」と表明。現在、中国市場の一人当たりの年間消費量は約12杯で、日本の200杯、米国の380杯と比べ、高い成長性を秘めるとの見解を示した。同社の23年第3四半期決算(4月3日~7月2日)によると、売上高は12・5%増の91億6800万ドル(1ドル=約150円)で、うち中国市場が51・0%増の8億2200万ドルだった。中国市場では237店を新規出店し、期末の累計店舗数は6480店に上った。

 プライベートエクイティ(PE)ファンドやベンチャーキャピタル(VC)ファンドも続々と中国コーヒー市場に進出している。大まかな統計によると、コーヒーに関連する投資や資金調達件数は22年以降に30件を超え、投資額は数十億元に上った。投資先は、コーヒーメーカー、コーヒーブランド管理、原材料など産業チェーンの複数の分野に及ぶ。

 調査会社の中商産業研究院によると、中国のコーヒー産業関連企業数は8月末時点で21万6500社を超えた。登録社数は増加傾向を示し、18年の1万5400社から22年には3万3100社に増え、年平均伸び率は21・1%だった。(c)Xinhua News/AFPBB News