【9月20日 Xinhua News】世界最大級の家電見本市、国際コンシューマーエレクトロニクス展(IFA2023)が5日までの5日間、ドイツ・ベルリンで開かれた。中国の出展企業が新華社の取材に応じ、海外市場開拓の先行きは明るく、引き続き産業の陣容を拡大し、協力を強め、消費者にさらに良い技術・製品をもたらし、海外における中国ブランドの知名度と市場シェアを拡大していくとの意気込みを示した。

 IFAは世界のコンシューマーエレクトロニクス・家電分野の重要な見本市で、業界発展のバロメーターの一つとされる。今回は数十の国・地域から2千社余りが出展し、うち30%が初出展となった。中国勢も最新鋭の製品・技術を公開した。

 家電大手の海信集団(ハイセンスグループ)は大型スクリーンでの映画鑑賞や音響・映像(AV)、娯楽、ゲームなどユーザーのそれぞれのニーズを踏まえ、8Kレーザーテレビ、ハイエンド超高画質テレビ「ULED X」シリーズ、4K3色レーザープロジェクターなどの新製品・新技術を出展し、多くの来場者の足を止めた。于芝濤(う・しとう)総裁はIFA開幕式の基調演説で、人工知能(AI)技術の進歩に伴い、消費者がカスタマイズ化され、スマートでフレンドリーな製品・サービスを求める傾向が強まっているとの見解を示した。ディスプレイ技術とスマート家電分野における全方位的な事業展開を武器に、2022年のテレビ出荷台数で世界トップを独走したと強調し、23年のディスプレイ端末生産台数は約2800万台になるとの見通しを示した。22年の売上高全体に占める海外売上高の割合は41%で、23年上半期(1~6月)にはドイツや英国、イタリアなど複数の欧州の国で小売シェア上位に食い込んだという。

 同業の海爾集団(ハイアール)傘下、海爾智家(ハイアール・スマートホーム)も主要家電ブランド「ハイアール」「Casarte」「Candy」「Hoover」を一堂に集め、冷蔵庫や洗濯機、ワインキャビネット、キッチン家電などさまざまなカテゴリー、シリーズのハイエンド製品を展示した。展示ブースではスマートキッチンやスマートワインセラー、ハイエンドな衣服洗浄などの場面を再現し、来場者にインテリジェントな相互接続という斬新な体験を提供した。

 ハイアールヨーロッパのヤニック・フィアリング最高経営責任者(CEO)によると、高度にグローバル化した企業として、ハイアールは8年連続で欧州市場で最も急速に成長したブランドとなり、世界市場でも主導的地位を占めている。

 海爾智家はより効率的に現地ユーザーのニーズに対応するため、現地化サービスの能力向上に力を入れている。先日稼働を開始したルーマニアの冷蔵庫工場、トルコの食洗機工場などのほか、今年エジプトに投資、建設するエコパークも欧州市場向けとなる。これらの生産能力の稼働は、欧州市場での販売拡大に寄与する見通し。

 テレビ大手TCL科技集団も数年連続で出展した。今回はスマート端末、半導体ディスプレイ、ソーラーといった三つの中核事業に焦点を合わせ、数多くの最先端技術とグリーン(環境配慮型)・スマート製品を展示。中でも、115インチの量子ドット(QD)ミニLEDテレビは海外初公開となり、大きな注目を集めた。ポーランドに構える生産拠点は現地に千人近くの雇用を創出しているという。(c)Xinhua News/AFPBB News