【9月12日 AFP】デンマーク政府は11日、過去数十年にわたり、国の施設で障害者に対し強制不妊手術を施したり、性的虐待が行われたりした問題をめぐり、被害者に謝罪した。

 研究者らの調査によると、デンマークでは1933~80年に社会を保護するためとして、視覚障害やてんかんなど身体的・精神的に障害がある子どもと成人約1万5000人が施設に収容された。収容期間はさまざまだった。

 精神疾患のある人については、29年から67年まで法律のもとで強制不妊手術が行われていたほか、89年までは結婚するには当局の許可を得る必要があった。

 調査は、2020年に国の施設において暴力や心理的・性的虐待、適切な医療を提供しないなど一連の虐待行為が行われていたことが発覚したことを受け、前政権が命じたもの。

 パニーレ・ローゼンクランツタイル(Pernille Rosenkrantz-Theilt)社会・住宅相は、西部ホーセンス(Horsens)で被害者約50人と面会し、「国に監督義務があったが、その責務を十分に果たしていなかった」と認め、「国と政府の名において」謝罪した。(c)AFP