シルクロード都市遺跡の遺物46点、新疆で初展示
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【5月23日 Xinhua News】中国新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)図木舒克(トムシュク)市の考古学成果展示ホールでこのほど、托庫孜薩来(トックズサライ)遺跡の出土遺物46点が初めて展示された。
銅鏡や陶製仏顔、紅陶猿形仏像、ビーズなど同地域における唐宋時代の重要遺物で、新疆における中央政府の初期管轄や開拓史、宗教史、東西文化交流を実証する上で重要な意義を持つ。
トックズサライはウイグル語で「九つの宮殿」を意味する。遺跡は唐王城遺跡とも呼ばれ、タクラマカン砂漠の北西端のオアシスに位置する。約3100年前の古代シルクロードの重要な都市遺跡で、地形の険しい山間部に築かれた。
今回の展示は四つのブロックに分かれており、遺跡の歴史的変遷、発掘成果、学術的意義、保存・展望について紹介する。中でも目を引くのは孔径1ミリに満たないガラス製ビーズで、同時代における地域工芸技術の高さがうかがえる。
唐の通貨「乾元重宝」「開元通宝」や、カラハン朝(中央アジアに存在したイスラム王朝)の通貨なども展示され、同地域が唐宋時代に中原(黄河中下流の平原)と盛んに交易を行っていたことを裏付けている。
同遺跡では2022年6月、国家文物局考古研究センターが新疆文物考古研究所、新疆屯墾歴史博物館、巴楚県博物館と共同で第1次発掘調査を開始。これまでに銅器や玉器、仏像、陶器、獣骨など500点余りが出土した。古代城郭都市遺跡1カ所と仏教寺院遺跡1カ所が現存し、調査では都市や寺院、河道などの遺跡構成がほぼ明確になった。
発掘チームを率いる楊睿(Yang Rui)氏は「今後も居住区域や窯跡、小型仏教寺院、農地など遺構と思われる場所を確認していく必要がある。珍しい総合遺跡であり、地域の社会生活や宗教信仰、東西文化交流を探る上で貴重な資料になる」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News