「戴冠式のキッシュ」はキッシュではない 仏原理主義者
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【5月5日 AFP】英王室が公開した6日に行われるチャールズ国王(King Charles III)の戴冠式に向け新メニュー「コロネーション・キッシュ(Coronation Quiche)」について、フランスの原理主義者らが不当表示だと主張している。
「コロネーション・キッシュ」は、環境に配慮する国王に合わせ、肉を使わず、ホウレンソウやソラマメ、香草のタラゴンを使用する。
だが、フランスの原理主義者らは、キッシュは仏北東部ロレーヌ(Lorraine)地方発祥のキッシュ・ロレーヌしかないと主張している。
キッシュ・ロレーヌの材料はパイ生地、卵、クリーム、ナツメグ少々と、細かく刻んだ厚切りベーコンで、チーズは一切使わない。
キッシュ・ロレーヌ・ギルド(Quiche Lorraine Guild)のエブリーヌ・ミュレールデルボー(Evelyne Muller-Derveaux)代表はコロネーション・キッシュについて、「キッシュと呼ばれているが、むしろしょっぱいタルトと呼びたい」「キッシュといえば、必然的にロレーヌ地方のものを指す」と述べた。
フランス国立科学研究センター(CNRS)が監修するオンラインの仏語辞典CNRTLによると、キッシュはロレーヌ地方の方言に由来する言葉で、「タルト」を意味する。ミュレールデルボー氏は、つまり、フランス語の「キッシュ・ロレーヌ」も冗長表現だと述べた。(c)AFP