【3月2日 AFP】英ウェールズで障害があるケイリー・ティトフォードさん(16)が病的肥満症を患い、自宅で極めて不衛生な状態で死亡した事件で、裁判所は1日、ケアを怠ったとして、父親のアルン・ティトフォード被告(45)に禁錮7年6月、母親のサラ・ロイドジョーンズ被告(40)に禁錮6年の判決を言い渡した。

 水頭症と二分脊椎を患っていたケイリーさんは2020年10月、ウェールズの自宅で死亡しているのが見つかった。体重は146キロで、汚れたトイレのしつけ用ペットシーツの上に横たわっていた。

 マーティン・グリフィス(Martin Griffiths)判事は、ケイリーさんが長期間にわたって放置されていたと判断し、「言語道断だ」と述べた。

 ケイリーさんは体が大きくなって車いすに乗れなくなり、体に潰瘍・壊疽(えそ)を起こして悪臭を放っていたにもかかわらず両親は無視した。

 判事は「ケイリーさんは死の瞬間まで自身の汚物の中に横たわり、ハエやウジムシにたかられていた」と述べた。

 引っ越し作業員の父親は法廷で、ケイリーさんの世話を一切しなかったと認めた。娘が思春期になって以降は身体介護をしなくなったという。

 父親は当初、無罪を主張していたが、後に娘の死の責任は自分にもあると認めた。ケイリーさんが亡くなる数時間前に叫び声が聞こえたが、メールでやめるよう伝えただけだった。

 判事は「父親は様子を見に行くことも、ケイリーさんが必要としていた手助けをすることもしなかった」「亡くなるまで独りぼっちで放置した」と述べた。

 ケイリーさんは新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)が始まるまで、普通学校に通っていた。警察によると、車いすバスケットボールの才能があり、人気者だった。

 英国では2020年3月、最初のロックダウンを実施。ケイリーさんは学校を中退していたが、社会福祉当局は様子を確認しなかった。(c)AFP