作品が小児性愛や近親相姦連想と非難、仏漫画家めぐり物議再燃
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【12月14日 AFP】フランスで13日、小児性愛や近親相姦(そうかん)を連想させるとして非難されている漫画家バスティアン・ヴィヴェス(Bastien Vives)氏(38)が、国際的に有名な漫画祭で特集されることが分かり議論が巻き起こっている。
ヴィヴェス氏は、フランスで人気の「バンドデシネ(漫画)」の分野において、最も優秀な若手作家の一人とされている。
少年のロマンスを描いた「年上のひと(Une sœur)」や若い女性の性の目覚めを描いた「Le Chemisier」といった作品は、性的な要素があるものの、感動的で現実的なものと受け止められている。
しかし、性器が非常に大きい10歳の少年を描いた「Petit Paul」などの作品は、不条理がテーマであるにもかかわらず、小児性愛を助長していると非難された。
「Petit Paul」は2018年、書店から回収された。それ以外の作品についても近親相姦を普通のことと描いているとして批判されている。
こうした中、来年1月に開催されるアングレーム国際漫画祭(Angouleme International Comics Festival)で、ヴィヴェス氏を特集することが分かり、その作品についての議論が再燃している。
ヴィヴェス氏は作品のポルノ的な要素について、自身の欲望と関係があるとの主張を否定している。
12日には、仏紙パリジャン(Le Parisien)に「もう一度言わなければいけないなら、もう一度言おう。私は小児性愛者ではないし、作品は私の性的妄想に基づくものでもない。私の作品を誠実に読んでもらえれば、そのことは簡単に理解できる」と語った。同氏はネットで何度も殺害予告を受けているという。
ヴィヴェス氏は17年、雑誌マドモアゼル(Madmoizelle)で「近親相姦は死ぬほど興奮する」とコメントしているが、意図的に挑発したとみられている。
アングレーム国際漫画祭は現時点で、ヴィヴェス氏の出席をキャンセルしないとしている。(c)AFP/Hugues HONOREF