広東省、香港、マカオが「1時間生活圏」に 進む「大湾区」計画
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【7月15日 People’s Daily】中国南部の広東省(Guangdong)、香港、マカオの経済協力を強化する「粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)」は計画開始から約5年が経過し、目覚ましい成果を挙げている。
大湾区の鉄道運行距離は2500キロ近く、大湾区内の9都市を結ぶ鉄道の整備が進んだ。高速道路の走行距離は4972キロに及び、「1時間生活圏」が形成されつつある。
大湾区内の空港群の対応能力は全体で2億人を超え、港湾群のコンテナ処理能力は8000万TEUを超えている。広州市(Guangzhou)、深セン市(Shenzhen)、珠海市(Zhuhai)、東莞市(Dongguan)の4つの港の規模は1億トンクラスとなり、深セン港と広州港はコンテナ処理能力で世界4位と5位にランクされている。広東、香港、マカオの規定と制度を統合発展する「軟連通(ソフト接続)」を推進し、開放型の経済体制を加速させている。
広東省は香港とマカオに対するネガティブリストを合理化し、サービス貿易の自由化を推進した。法律、会計、建築などをはじめとした香港とマカオの企業は1日で登記を済ませるように。深圳と香港の株式相互取引「深港通」、中国内地と香港間の債権相互取引「南向通」、大湾区の個人投資家が境界を越えて金融商品に投資できる「跨境理財通」が実施され、人民元は境界を越えて最大の決済通貨となった。香港とマカオの住民は中国内地の銀行に18万超の口座を開設。電子決済システム「銀聯(UnionPay)」やSNS「微信(WeChat)」の決済アプリも香港とマカオに提供され、境界を越えたサービスを楽しめるようになった。年金、失業保険、労災などの社会保障面でも相互参入が進んでいる。
香港とマカオからは多くの若者が雇用や起業のため広東省に来ており、イノベーションの波が高まっている。広東省の雇用登録管理には、約8万5000人の香港・マカオの住民が含まれている。広東省は香港とマカオの大学と科学研究機関に財政支援を行い、大湾区全体の科学研究水準の向上を図っている。(c)People’s Daily/AFPBB News