【12月18日 AFPBB News】1週間のSDGsニュースを振り返る。

過酷気象は「新しい日常」 米災害当局トップ

 米連邦緊急事態管理庁(FEMA)のディアン・クリスウェル(Deanne Criswell)長官は12日、気候変動の影響が広がる中、今後はこれまで以上に破壊力があり、より多くの死者をもたらす過酷気象が「新しい日常」になるだろうとの認識を示した。

 クリスウェル長官は、竜巻による甚大な被害を受けた米南部・中西部6州の状況把握と連邦政府の対応の調整に向けケンタッキー州を訪問するのに先立ち、テレビ各局に出演。CNNの番組「ステート・オブ・ザ・ユニオン(State of the Union)」で、「これは新しい日常になるだろう」と指摘し、「今目撃している気候変動の影響は、われわれの世代の危機だ」と語った。

竜巻の被害を受けた米ケンタッキー州メイフィールド(2021年12月12日撮影)。(c)Brendan Smialowski / AFP

ウィーンとパリ結ぶ夜行列車、復活 飛行機に代わる移動手段に

 オーストリア・ウィーンで13日、仏パリとの間を結ぶ夜行列車が14年ぶりに運行を再開した。飛行機に代わる環境に優しい交通手段として、欧州では夜行列車が見直されている。

運行を再開したウィーンとパリを結ぶ寝台列車に乗り込む人々。オーストリア・ウィーンで(2021年12月13日撮影)。(c)JOE KLAMAR / AFP

北極圏で気温38度、観測史上最高と認定 国連

 国連(UN)の世界気象機関(WMO)は14日、2020年にロシアのシベリア(Siberia)で観測された気温38度が、北極圏での観測史上最高だったと正式に認定し、気候変動に警鐘を鳴らした。

 気温38度は、2020年6月20日にロシア東部のベルホヤンスク(Verkhoyansk)で観測された。北極線の北約115キロに位置する町で、1885年から気温観測が行われている。

北極圏にあるロシア領フランツヨシフ諸島に生息するホッキョクグマ(2021年8月22日撮影、資料写真)。(c)Ekaterina ANISIMOVA / AFP

トヨタ、EV強化に本腰 2030年に年間350万台販売へ

 トヨタ自動車(Toyota Motor)の豊田章男(Akio Toyoda)社長は14日に発表した電気自動車(EV)の事業戦略で、2030年までに30車種のEVを市場に投入し、年間販売台数350万台を目指す計画を明らかにした。

会見するトヨタ自動車の豊田章男社長。都内の同社ショールームで(2021年12月14日撮影)。(c)Behrouz MEHRI / AFP

米フロリダ州、野生のマナティーに餌 飢え死に対策

 米フロリダ州で、汚染の影響で野生のマナティーが飢え死にする危険が高まっていることから、当局が直接餌を与える「異例の」対策を講じることになった。同州魚類・野生生物保護委員会(FWC)と連邦政府が8日、発表した。

 試験プログラムが実施されるのは、オーランド(Orlando)南東の東海岸沿いに位置するインディアンリバー・ラグーン(Indian River Lagoon)。この地域には毎年冬になると、近くの発電所から放出される温水目当てに多数のマナティーが移動してくる。

 10年以上前から、付近の農場や都市部から排水が流れ込み、藻が大量発生している。藻は毒素を発生させるだけではなく日光を遮るため、マナティーが主食としている海草の成長が阻害される。

 今年これまでに、1017頭のマナティーの死骸が確認されている。

米フロリダ州のタンパ動物園にある集中治療用の水槽で餌を食べるマナティー(2021年1月19日撮影)。(c)Eva Marie UZCATEGUI / AFP

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