【8月18日 AFP】英ロンドンで最も歴史のある紳士クラブの一つに女性の入会を認めるよう求める署名活動が行われており、トニー・ブレア(Tony Blair)元首相の妻、シェリー・ブレア(Cherie Blair)氏も含め男女300人以上の弁護士が署名した。

「ギャリッククラブ(Garrick Club)」は1831年、俳優と「教養ある洗練された男性」のために設立された。女性の入場を、男性会員の招待以外では認めていない英国最後のクラブの一つとなっている。

 ギャリッククラブでは会員に宿泊施設、レストラン、バー、図書館を提供している。会員数は1300人で、弁護士や裁判官も多数いるという。

 過去には、文豪チャールズ・ディケンズ(Charles Dickens)が会員だったことで知られ、現在は英テレビドラマシリーズ「シャーロック(Sherlock)」の主演俳優ベネディクト・カンバーバッチ(Benedict Cumberbatch)さんやマイケル・ゴーブ(Michael Gove)ランカスター公領相が所属しているといわれている。

 同クラブでは、これまでに何度か男性限定を定めた規則の見直しが提案されたが、会員投票で3分の2以上の賛成を得られずに否決されてきた。

 嘆願書は、性差別によって女性がネットワーク構築の機会を逃していると主張。ギャリッククラブは、「上位の法曹界関係者が交流し、ネットワークを構築する場」であり、女性は「職業上有益な目に見えないつながり」を奪われていると訴えている。

 シェリー・ブレア氏は司法修習生だった1976年に訪れた際、後に夫となるトニー・ブレア氏がディナーに参加している間、外に立たされていたというエピソードを披露している。「それ以来、ほとんど進展がないのは言語道断だ」

 会員に再投票を求める署名の発起人で、ランジェリーブランド「ブルーベラ(Bluebella)」を経営するエミリー・ベンデル(Emily Bendell)氏は昨年、AFPとのインタビューで、「小さなクラブの小さな事柄かもしれない。(中略)しかし、ロンドンの中心にある施設であり、政治家や裁判官など、それぞれの職業のトップに立つ人々が会員だ」と語った。(c)AFP