五輪のバトン、東京から北京へ コロナ再流行・ボイコット論が課題
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【8月18日 AFP】東京五輪が閉幕し、注目は即座に北京冬季五輪へと移行したが、大会の開幕までわずか半年となる中で、開催地中国では新型コロナウイルスの再流行や、イスラム系少数民族ウイグル人の人権問題をめぐるボイコットの声が重くのしかかっている。
大会は2022年2月4〜20日の日程で予定されており、北京は夏季と冬季の両方の五輪を開催する初めての都市となる。数か月前には全ての競技会場が完成しており、中国政府は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)下でも大会準備が順調に進んでいることを強くアピールしている。
しかし、2022年の本番が視界に入ってくる中、国内ではウイルスの感染者数が多くの諸外国と比べて抑えられているとはいえ、ここ数か月では最も深刻な感染状況に直面している。
2019年末に新型ウイルスの発生源になったとされる中国は、すでに世界トップクラスの厳格な感染対策を行っており、北京ではより一層厳しい規則が設けられている。
海外からの入国者にはホテルで2〜3週間の隔離を義務付けられている中で、アスリートやチームスタッフ、メディアなど大会に向けて訪れる大勢の関係者が、同様の規則に従わなければならないかは定かではない。
米オハイオ州のマイアミ大学(Miami University)で助教授を務めているボー・リー(Bo Li)氏は、北京五輪の主催者は新型コロナウイルス対策に関して、東京五輪からヒントを得るべきだとの認識を示した。
東京五輪では関係者に多くの感染者が出る可能性が懸念されていたが、ある程度の陽性者は出たものの最悪のシナリオには至らなかった。
国際オリンピック委員会(IOC)と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は、関係者全員に対して大会前と大会期間中に定期的な検査を行うことや、アスリートたちを一般市民から遠ざけることを強調していた。
東京五輪では大半の競技で観客の入場も禁止されたが、北京五輪も同様の措置を取るかどうかは分かっていない。
ボー・リー氏は、「東京で用いられた総合的な戦略は、かなりの成功を収めた。おそらく北京も同様の戦略を用いるだろう」と話し、中国が現在の厳格な隔離措置をどうするか「興味深い」と付け加えた。