【7月12日 CGTN Japanese】かつて上海にあり、中国文学の巨匠・魯迅(Lu Xun)など多くの文人と繋がりの深い「内山書店」が74年を経て中国に戻ってきました。10日に天津市(Tianjin)で行われた開業式には、魯迅、郭沫若(Guo Moruo)、郁达夫(Yu Dafu)などの親族の方々も出席しました。

 魯迅の孫であり魯迅文化基金会の周令飛(Zhou Lingfei)事務局長はインタビューに対し、「1927年、当時祖父は上海に到着し、宿泊した虹口区の周辺には内山書店があって、3日目からそこに通いはじめた。あの頃から死ぬまで内山書店とは一生の付き合いになった。内山書店が再び中国に戻って天津に店舗を設置した。これは一つのシンボルのように思う。中日友好の種を100年前にまき、100年後に花開き実を結んだ」と祝福の意を表しました。

 中国駐在日本大使館の志水史雄特命全権公使が開業式で「来年の2022年は日中国交正常化50周年の節目の年に当たる。出版は日中の相互理解において重要な役割を担っており、出版分野の交流を通じて21世紀の日中関係に新しい文化と新しい発想をつくり出すことができる」と期待を寄せました。また、「かつての内山書店がそうであったように、新しく再開した内山書店も文化交流の場としての役割を果たせることを望んでいる」と挨拶しました。

 内山書店は1917年、当時上海にいた内山完造と妻・美喜によって創設され、それから104年にわたって中国と日本の文化人の交流に関わってきた、歴史ある書店です。1945年に上海店は閉店し、今回は74年ぶり中国での再開。新しくオープンした天津店は市内のショッピングモールにあり、面積は515平方メートル、2万冊以上の書籍が陳列できます。現代の中日文化交流の窓口を目指しています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News