【2月5日 AFP】性差別的な発言をした東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)の森喜朗(Yoshiro Mori)会長(83)が辞任を否定し、「最近、女性の話を聞かないからあまり分からない」と自身の言葉を正当化したことを受けて、国内では5日、批判の声が高まっている。

 森会長は4日、日本オリンピック委員会(JOC)の会合で「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」と発言したことについて謝罪し、国際オリンピック委員会(IOC)はこの問題は「終了」したと考えているとの立場を示している。

 しかし、発言をめぐっては東京都の小池百合子(Yuriko Koike)知事が「絶句」したと話し、JOCの山下泰裕(Yasuhiro Yamashita)会長も五輪精神に反するものだと主張するなど、この問題への怒りは続いている。さらには、五輪メダリストら国内のスポーツ関係者からも、数々の失言で知られる元首相を糾弾する声が上がった。

 共同通信(Kyodo News)は、小池知事が「私自身も絶句したし、あってはならない発言だと思っている」との見解を示し、「五輪とパラリンピックを安全安心に進めるのが私のミッションであり、組織委員会のミッションだとすれば、大きな事態に直面している」と述べたとされている。

 JOCの山下会長も、発言は「不適切」で「五輪・パラリンピックの精神に反する」と強調。しかし、国内メディアによれば、森会長の辞任については求めていないという。

 一方、朝日新聞(Asahi Shimbun)では、2012年ロンドン五輪の競泳女子で銀メダル1個と銅メダル2個を獲得した鈴木聡美(Satomi Suzuki)が、4日に行われたレースの後、「一言で言うなら、かなり残念」と明かし、「怒りも正直あった」とコメントしたと伝えられた。(c)AFP