【2月4日 AFP】インターネットの遮断期間が世界最長となっていたミャンマー西部のラカイン(Rakhine)州とチン(Chin)州で、19か月ぶりにアクセスが復活した。ノルウェー通信大手テレノール・グループ(Telenor Group)が3日、国軍によるクーデター発生を受けてサービスを完全復旧したと発表した。

 民族紛争が続く両州の8郡区では、アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問率いる文民政権の「緊急」命令により、2019年6月からインターネットが遮断され、100万人以上の住民が影響を受けていた。

「テレノール・グループとテレノール・ミャンマーは、これまでサービス復旧へ向けて提言を繰り返し、通信サービスへのアクセスを通じた表現の自由は人道目的として維持されるべきだと強調してきた」と同社は説明した。

 ラカイン州では、仏教徒の少数民族ラカイン人の自治権拡大を求める武装組織「アラカン軍(Arakan Army)」と国軍が激しく衝突し、これまでに死者・負傷者は数百人に上っている。戦闘は隣接するチン州にも飛び火し、キリスト教徒が多数を占めるチン人は数千人が村を追われて仮設キャンプに避難している。

 また、ラカイン州ではイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)を政府が武力弾圧し、約74万人が隣国バングラデシュに避難。国連(UN)が「ジェノサイド(集団殺害)」の恐れを指摘している。(c)AFP