米国防総省、警察に余剰武器を無償譲渡 デモに配備
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【6月19日 AFP】米国の警察は2週間前、全土に広がった反人種差別デモが行われている通りに、完全武装した迷彩服を着た人員、対地雷装甲車、殺傷力の高い武器を配備した。多くの人の目には、軍隊のように見えただろう。
これは偶然ではない。米国防総省は何年も、余った軍事品を警察に無償で渡してきた。警察は大規模な署も小規模な署も、それを喜んで受け取っている。
批評家はそうした光景は警察の総合的軍事化の一環だとし、5月25日にミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で手錠を掛けられた黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さんが、警察の拘束中に死亡した事件をきっかけに全米に広がった反人種差別デモを激化させたと指摘している。
■小さな町の警察も武装化
抗議活動がミネアポリスで始まると、同警察は中東の紛争地域の方が似合いそうな装甲車を配備した。
他の大都市だけではなく小さな町の警察さえもそうした装備を持っている。
人口1万6000人のオクラホマ州エイダ(Ada)にある署員10人(うち2人はパートタイム)の警察は、何年もかけて34丁のM16ライフルを備蓄した後、2019年7月に対地雷装甲車を手に入れた。
多くの人が自分用の銃を持ち、学校での銃乱射に悩む米国では、文教地区でさえ国防総省の支給する軍事品を受け取っている。
フロリダ州パナマシティー(Panama City)・ベイ(Bay)地区の47の学校では、2012年と2013年に27丁ものアサルトライフルと2台の対地雷装甲車を確保した。