■ワクチンと治療法

 仏保健当局のジェローム・サロモン(Jerome Salomon)氏によると、人間はインフルエンザと100年以上共生している。インフルエンザについてはその間に研究が進んできた。

 COVID-19については、ワクチンや確実に効果があると証明された治療法がないことが、季節性インフルエンザとの最大の違いといえる。

 抗レトロウイルス薬の重症患者への投与や、一部の実験的治療など臨床試験で有望な結果が出ているものもあるが、一般に行うにはサンプルサイズが小さすぎる。

 世界中の大勢の科学者がCOVID-19のワクチン開発に懸命に取り組んでいるが、開発には数か月が必要で、現在の流行には間に合わない可能性が高い。

■類似点

 だが、COVID-19にはインフルエンザと共通する特徴もある。握手を避ける、せっけんと水で頻繁に手を洗う、手で顔を触らない、症状があるときはマスクをするなど、感染スピードを遅らせるために個々人でできる対策があることだ。

 このような対策によって、インフルエンザや胃腸炎、その他の感染症と同様、新たな感染を抑えることができる。

 仏保健当局によると、トイレの後に必ず手を洗う人は10人に2人にすぎないという。また「せきやくしゃみをするときに、ひじやティッシュで口を覆う人は42%のみだ」。(c)AFP