【11月18日 東方新報】一年に一度の大型EC販売セール「双11(独身の日)」が終わった。中国・大手ECの天猫(Tmall)、京東(JD.com)の合計成約額はそれぞれ2684億元(約4兆1500億円)と2044億元(約3兆1600億円)で、前年同期比は25.7%増と27.9%増となった。

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 低価格品を主とするEC「拼多多(Pinduoduo)」によると、11日午前0時16分時点で自動車販売台数が1000台を突破、貧困地域が出品した農産品の販売の増加率は220%を上回った。11月1日から11日までの期間に「拼多多」で販売された新しいiPhoneは40万台を超えた。

 今年は「双11」セールが始まって11年目にあたり、中国の消費の歩みは絶えず加速化している。スマート化、高品質化、個性化の方向に進み、自然食品、ファッション、スマート家電などの商品が好評だ。中国の消費モデルは「SNS化」と「モバイル化」が顕著となり、「直播(Zhibo)」と呼ばれるライブによる販売が各ECで販売増の鍵となった。「天猫」によると、「双11」の期間中、全体の半分を超える10万社が「直播」を行い、淘宝(タオバオ、Taobao)では200億元(約3090億円)近い取引が成立した。

 今年の双11セールでは、成約額の新記録のほか、多くのECは「地方」市場の潜在力を引き出すことに注力した。「地方」とは中小都市や県、鎮、農村などの市場を含み、消費人口は中国全土の7割を占める。今回の「双11」セールで「天猫」上で爆発的に売れた家電品、化粧品、家具などの60%は「地方」からの注文で、それらの増加率はいずれも100%を超えた。

 注目に値するのは、「世界買い物かご」が今年の双11の標準となった点だ。第2回中国国際輸入博覧会(CIIE)で成約額が711.3億ドル(約7兆7210億円)に達したあとも、中国の消費者が海外の商品を買う情熱は続き、美容家電、文房具、ペットフードなどの高級品に注目が集まった。

 初出店のケースも爆発的に増えた。「天猫国際」に初出店した海外企業は同期比で300%増となり、その多くは米国、英国、日本などの先進国だ。彼らがこぞって中国に進出したのは、中国の消費者の強大な購買力に引かれたからだ。

 今年の双11では「天猫」「京東」「拼多多」の3大ECが異口同音に「新消費」を掲げた。「天猫」と「淘宝」総裁を兼務する蒋凡(Jiang Fan)氏は「今回の双11は『新消費』の力が頭角を現しており、中国の新消費時代の始まりだ」と語る。新たな消費人口、新たな消費供給、新たな消費シーンが正に爆発的に出現している。(c)東方新報/AFPBB News