【10月1日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は30日、イングランド・プレミアリーグのカーディフ・シティ(Cardiff City)に対し、今年1月に飛行機事故で亡くなったエミリアーノ・サラ(Emiliano Sala)選手の移籍金の一部である600万ユーロ(約7億円)を、フランス・リーグ1のナント(FC Nantes)に支払うよう命じた。

 サラ選手は1月21日、新天地であるカーディフに向かう際に墜落事故に巻き込まれて命を落とした。しかし、カーディフは1700万ユーロ(約20億円)の移籍金をナントに支払うことに関してこの事故の前にすでに合意しており、600万ユーロという額はその最初の分割金に相当する。

 カーディフは以前、たとえ移籍の手続きが事故前に完了していたとしても、一切の支払いを行わないと決定していた。

 選手地位委員会の会合後に発表を行ったFIFAは、AFPの取材に応じ、当初合意されていた残りの契約金に関して「機密保持の理由から、われわれは今後起こり得る分割での支払いや移籍合意に関するその他の条件について、現時点ではコメントできない」とした。

 ナント側は発表文の中で「FIFAの発表に満足している」としたものの、両クラブは今回の決定についてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議を申し立てることができる。

 また、ナント側の弁護士はAFPに対し、「カーディフは自分たちの責任を果たし、サッカー界の法や規則を守らねばならない」と語った。

 ナントは2月、カーディフが1700万ユーロの移籍金を支払っていないことに対して異議を申し立てており、サラ選手はすでにカーディフと契約していたため支払い義務はあると述べていた。

 ナントは「FIFAから国際移籍証明書(ITC)が発行されたことで、エミリアーノが事故当日カーディフの選手だったことは立証された」と続けた。

 カーディフの担当者は、チームは「この決定を認める」と話したが、「通達された決定を次のステップにつなげるため、発表の正確な意味についてFIFAからさらなる説明を求めるつもり」と続けた。(c)AFP