中国の5G通信網整備は最盛期に 基地局数、年内に15万台へ
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【8月12日 Xinhua News】第5世代移動通信システム(5G)の営業ライセンスの正式発給に伴い、5G通信網のインフラ整備も最盛期を迎えた。年内に整備される国内の5G基地局数は、15万カ所に達する見通し。なかでも、北京市、上海市、四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)、深圳市(Shenzhen)などでは、年末までに1万カ所の5G基地局設置を目標に掲げている。経済参考報が伝えた。
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また、経済参考報によると、3大通信キャリアである、中国移動(チャイナモバイル、China Mobile)、中国聯通(チャイナユニコム、China Unicom)、中国電信(チャイナテレコム、China Telecom)の5G事業への投資額は、400億元(1元=約15円)を超えるとみられている。業界関係者によると、5G通信網のインフラ整備は、基地局のアンテナ、ネットワーク設備、光ファイバー・光ケーブルといった設備供給業の発展を促進する見込み。
中国の5G通信網と端末はそろって成熟段階に入った。中国工業・情報化部(工信部)によると、今年は主に、重点エリアや大都市で5G通信網を整備する計画で、地方政府も5G通信網の整備を加速しているという。北京市を例に、工信部が7日に発表したデータを見ると、7月末時点で、中国鉄塔(3大通信キャリアが共同出資して設立した国家級の携帯電話基地局運営企業)が完成させ、引き渡した基地局数は7863カ所、通信キャリアが開通させた基地局数は6324カ所にのぼり、年内までに基地局数は1万カ所を超える見通しだ。上海市、成都市、深圳市などでも、年末までに5G基地局1万カ所を完成させる計画を打ち出している。工信部中国電子情報産業発展研究院に所属するシンクタンクの賽迪智庫(CCID)は、今年の国内基地局数は年初の予想を50%上回る15万台に達するとの見通しを示した。
5G通信網は建設コストが高く、全面的カバーはハードルが高く、今後一定期間は主に、需要の集中するエリアを対象とした重点的整備となる。
中国電子情報産業発展研究院新興産業研究室の侯雪(Hou Xue)主任は、5G、人工知能(AI)、インダストリアルインターネット(産業インターネット)といった新型インフラ整備は、情報通信技術(ICT)の重要設備サプライヤーの発展をけん引できる。なかでも、5Gの発展はデバイス素材、基地局アンテナ、通信、ネットワーク設備、光ファイバー・光ケーブルといった設備供給業の発展につながるとした。
通信キャリアを見ると、中国移動は年内に、5万カ所の5G基地局を開通させ、50以上の都市で5G商用化サービスを始める計画だ。中国聯通は、北京市、上海市、広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)、深圳市、江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)、浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)、河北省(Hebei)雄安(Xiongan)新区などの7都市で5G通信網を整備し、33都市を重点的にカバーするという。賽迪智庫は、今年の3大通信キャリアの5G事業への投資額は、予想の340億元を上回る400億元強に達すると予測した。(c)Xinhua News/AFPBB News