セレソンの「永遠の主将」カルロス・アウベルト氏が死去、W杯メキシコ大会優勝メンバー
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【10月26日 AFP】サッカー元ブラジル代表で、1970年のW杯メキシコ大会を制した史上最強の呼び声高いチームを主将としてまとめたカルロス・アウベルト・トーレス(Carlos Alberto Torres)氏が25日、72歳で死去した。同氏が解説者を務めていた「スポルTV(Sportv)」は、アウベルト氏の死因は心臓発作だったと伝えている。
現役時代に右SBとして活躍したアウベルト氏は、ペレ(Pele)、トスタン(Tostao)、ジャイルジーニョ(Jairzinho)、リベリーノ(Rivelino)らを擁した伝説のチームの主将を務め、イタリアを4-1で破ったメキシコ大会決勝でペレのパスから決めた弾丸シュートは、W杯史に残るゴールの一つと言われている。
訃報を受けて、FCバルセロナ(FC Barcelona)やACミラン(AC Milan)でプレーし、自身も2002年のW杯日韓大会を制した元ブラジル代表のロナウジーニョ(Ronaldinho)が「ピッチの内外でリーダーシップの手本となり、いつも温かく接してくれる最高の友人だった。永遠の主将のご冥福をお祈りする」とコメントするなど、世界中から追悼の言葉が寄せられた。
1966年から1974年まで所属し、ペレとともにプレーしたサントスFC(Santos FC)は、公式ツイッター(Twitter)で、アウベルト氏の写真を添えながら「サントスはわれわれのアイドル、カルロス・アウベルト・トーレス氏に哀悼の意を表する。すべてに感謝を」と投稿した。
ブラジルサッカー協会(CBF)は、「カルロス・アウベルト・トーレス氏が72歳でこの世を去った。彼は成功と、ブラジルサッカーの発展に惜しみなく協力し、巨大な財産を残してくれた。ありがとうカピトン。あなたの物語はいつまでもわれわれの一部だ」とコメントし、協会本部の旗を半旗とした。
そのほかにも、西ドイツ代表の主将と監督を務めたフランツ・ベッケンバウアー(Franz Beckenbauer)氏ら当時のスター選手、アーセナル(Arsenal)やマンチェスター・シティ(Manchester City)といったイングランド・プレミアリーグの強豪、そしてブラジルの名門クラブが哀悼の意を表している。
ブラジル国内では「カピタ(主将)」の愛称で知られるアウベルト氏は、フルミネンセ(Fluminense)でプロ生活をスタートさせ、その後はサントスや米国のニューヨーク・コスモス(New York Cosmos)などでプレーし、1982年に現役を引退した。
ブラジル代表では50試合以上に出場したが、連覇を期待されながら決勝進出を逃した1974年のW杯西ドイツ大会は、けがのため出場がかなわなかった。2004年に行われた国際サッカー連盟(FIFA)の100周年の記念式典では、史上最も偉大な選手100人に選出された。
現役引退後は、故郷の名門フラメンゴ(Flamengo)の監督として指導者の道を歩み始め、ブラジル全国選手権を制した後は、米国やコロンビア、メキシコ、オマーン、アゼルバイジャンでチームの指揮を執った。
監督業から退いた後は、テレビ解説者に転身し、先日もスポルTVの国内リーグ関連番組にも出演していた。(c)AFP