200mで3連覇のボルト、目指すは「ペレやアリと同格の存在」
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■フェルプスとの比較には関心なし
ボルトの偉業は、五輪史上最高の選手ともいわれるフェルプスにも匹敵する。フェルプスはリオ五輪で新たに5個の金メダルを加え、通算の金メダル数を23個に増やした。
しかしボルトは、最強のオリンピアンをめぐる議論は無意味だと話し、「なんとも言えない。水泳と陸上はまったく別の競技だ」と言って肩をすくめると、「彼は、疑問の余地なく最高だと自分で証明した。多くのメダルを手に入れ、水泳界を牛耳った。僕らはそれぞれ違う縄張りの最強だ」と続けた。
陸上界が亡霊のようなドーピングの影に覆われ、最大のライバルであるジャスティン・ガトリン(Justlin Gatlin、米国)までもが2度にわたって薬物に手を染めるなかで、ボルトは汚れたアスリートたちに耳の痛い一言を浴びせている。
「努力と強い意志さえあれば、クリーンでもやれるということを僕は世界に証明した。このスポーツを盛り上げ、多くの人を、このスポーツを見たいという気持ちにさせた。このスポーツを次のレベルへ、一つ上の段階へ押し上げたんだ」
フィニッシュラインを切った瞬間、ボルトは20秒02で2位に入ったアンドレ・ドグラス(Andre de Grasse、カナダ)に大差をつけていたにもかかわらず、自身が7年前に樹立した19秒19の世界記録を更新できなかったことに、不満げな表情をのぞかせた。
「もっといいタイムを出したかったけど、世界記録更新が難しいのは自分で分かっていた。コーナーを出た時点で、脚の悲鳴が聞こえたからね。『聞いてくれ、これ以上のスピードは出せない』と言われたよ」
「だから100パーセント満足というわけにはいかないが、重要なのは勝ったことだし、ここへ来た目的はそこにある。僕はもう、21歳じゃないんだ」
リオ五輪が閉幕する21日に30歳の誕生日を迎えるボルト。3大会連続3冠がかかる4×100メートルリレーの決勝は、19日に行われる。(c)AFP/Alastair HIMMER