イタリア優勝の背後にファシズムの影―1934年W杯イタリア大会
発信地:パリ/フランス
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【6月9日 AFP】欧州でファシスト政権が台頭し緊張が走るなか、イタリアの独裁者ベニト・ムソリーニ(Benito Mussolini)は、自身の体制を輝かせるために1934年のW杯を利用した。
欧州から12か国、米大陸からは前回王者ウルグアイが参加を辞退したため3か国、アフリカからエジプトの計16か国が参加し、大会はノックアウト方式で行われた。
決勝はムソリーニが満足そうに見守るなか、イタリアが延長戦の末に2-1でチェコスロバキアを下し、開催国が2大会連続で優勝した。
試合は残り時間20分としたところでチェコスロバキアのアントニン・プチ(Antonin Puc)が先制点を挙げ、熱烈な5万人の観衆を沈黙させた。
イタリアはアルゼンチン出身のライムンド・オルシ(Raimundo Orsi)のゴールで試合終盤に同点に追いつくと、迎えた延長戦でアンジェロ・スキアビオ(Angelo Schiavio)が決勝点を挙げた。(c)AFP