米女性3人監禁事件、被害者が感謝の動画を公開
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【7月10日 AFP】(一部更新)米オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)の住宅で約10年にわたって監禁されていた被害者の女性3人の動画が9日、動画共有サイトのユーチューブ(YouTube)に投稿された。PR会社が投稿した約3分間の動画の中で解放後初めて人々の前に姿を現した3人は、支援者らに感謝するとともに、生活を立て直すため今後もプライバシーを保護してほしいと要請した。
誘拐や強姦(ごうかん)、殺人の罪に問われているアリエル・カストロ(Ariel Castro)被告(52)から最もひどい暴力を受けていたとされるミシェル・ナイト(Michelle Knight)さん(32)は、「地獄を見た思いがする」と述べたが、今は将来に希望が持てるようになったと語った。
「皆さんが祈ってくださったことに感謝しています。これからの新たな生活を楽しみにしています」と話したナイトさんは、20歳のときに誘拐された。
■人々の支援に感謝
そろってカメラの前に座った3人は、それぞれ用意してきた短い文章を読み上げ、今後の生活再建を支援するための寄付金が寄せられたことに感謝を述べた。
被告の子どもを5回妊娠し、妊娠すると流産するまで食事を与えられずにひどい暴力を振るわれたと警察に供述したナイトさんは、動画の中で何度も笑顔を見せ、憎しみに捕らわれて生きるのは嫌だと話した。
さらに、「私は笑顔を保ち、顔をまっすぐ前に向け、しっかりと地面に足を付けて、地獄で生き残るだけの強さを持っていた」と書いたメモをゆっくりと慎重に読み上げた。
幼い娘を連れて逃げ出し、隣人に助けを求めたことで事件解決への突破口を開いたアマンダ・ベリー(Amanda Berry)さん(27)は、17歳の誕生日の前夜、働いていたファストフード店での勤務を終えて帰宅する途中に誘拐された。
「家族や友人たちの元に戻ることができてどれほど幸せか、皆さんに伝えたい。信じられないことが起きた」と語ったベリーさんは、今も行方不明者のポスターに使用された写真と同じように、眉毛の部分にピアスをしている。
「日々、強さを取り戻している。プライバシーを守ってもらえていることが、本当に大きな助けになっている」と述べ、普通の暮らしができるよう今後もそっとしておいてほしい、時間を与えてほしいと付け加えた。
もう1人の被害者、ジョージーナ・デヘスース(Georgina DeJesus)さん(23)は、言葉少なく支援に対する感謝のみを語った。
同席したデヘスースさんの両親も同様に感謝の気持ちを伝え、さらに行方不明の子どもを持つ親たちに対し、隣人に支援を要請するよう促した。
■証言で明かされる「地獄」の内情
被害者の3人はそれぞれ、2002~04年の間に誘拐され、今年5月にそれまで監禁されていた被告の自宅から解放された。スクールバスの運転手だったカストロ被告は裁判で、ナイトさんを流産させたことによる加重殺人罪などについて無罪を主張している。
女性たちは警察に対し、誘拐されてから最初の何年間かは被告の自宅地下で鎖につながれていたが、その後は玄関が施錠された状態で鎖を解かれ、上の階の部屋で暮らしていたと証言している。
また、2006年のクリスマスにベリーさんが出産した女児は、カストロ被告の子であることがDNA検査によって確認された。被告は逮捕後に女児との面会を希望していたが、判事らは先週、これを認めない判断を下した。
300以上の罪に問われているカストロ被告の弁護団は、これまでの公判で大部分の罪を認めた。弁護団は検察が加重殺人罪で死刑を求刑しなければ、妊娠中だったナイトさんに暴力を振るい流産させたことについて有罪を認めるとしている。(c)AFP/Mira OBERMAN
誘拐や強姦(ごうかん)、殺人の罪に問われているアリエル・カストロ(Ariel Castro)被告(52)から最もひどい暴力を受けていたとされるミシェル・ナイト(Michelle Knight)さん(32)は、「地獄を見た思いがする」と述べたが、今は将来に希望が持てるようになったと語った。
「皆さんが祈ってくださったことに感謝しています。これからの新たな生活を楽しみにしています」と話したナイトさんは、20歳のときに誘拐された。
■人々の支援に感謝
そろってカメラの前に座った3人は、それぞれ用意してきた短い文章を読み上げ、今後の生活再建を支援するための寄付金が寄せられたことに感謝を述べた。
被告の子どもを5回妊娠し、妊娠すると流産するまで食事を与えられずにひどい暴力を振るわれたと警察に供述したナイトさんは、動画の中で何度も笑顔を見せ、憎しみに捕らわれて生きるのは嫌だと話した。
さらに、「私は笑顔を保ち、顔をまっすぐ前に向け、しっかりと地面に足を付けて、地獄で生き残るだけの強さを持っていた」と書いたメモをゆっくりと慎重に読み上げた。
幼い娘を連れて逃げ出し、隣人に助けを求めたことで事件解決への突破口を開いたアマンダ・ベリー(Amanda Berry)さん(27)は、17歳の誕生日の前夜、働いていたファストフード店での勤務を終えて帰宅する途中に誘拐された。
「家族や友人たちの元に戻ることができてどれほど幸せか、皆さんに伝えたい。信じられないことが起きた」と語ったベリーさんは、今も行方不明者のポスターに使用された写真と同じように、眉毛の部分にピアスをしている。
「日々、強さを取り戻している。プライバシーを守ってもらえていることが、本当に大きな助けになっている」と述べ、普通の暮らしができるよう今後もそっとしておいてほしい、時間を与えてほしいと付け加えた。
もう1人の被害者、ジョージーナ・デヘスース(Georgina DeJesus)さん(23)は、言葉少なく支援に対する感謝のみを語った。
同席したデヘスースさんの両親も同様に感謝の気持ちを伝え、さらに行方不明の子どもを持つ親たちに対し、隣人に支援を要請するよう促した。
■証言で明かされる「地獄」の内情
被害者の3人はそれぞれ、2002~04年の間に誘拐され、今年5月にそれまで監禁されていた被告の自宅から解放された。スクールバスの運転手だったカストロ被告は裁判で、ナイトさんを流産させたことによる加重殺人罪などについて無罪を主張している。
女性たちは警察に対し、誘拐されてから最初の何年間かは被告の自宅地下で鎖につながれていたが、その後は玄関が施錠された状態で鎖を解かれ、上の階の部屋で暮らしていたと証言している。
また、2006年のクリスマスにベリーさんが出産した女児は、カストロ被告の子であることがDNA検査によって確認された。被告は逮捕後に女児との面会を希望していたが、判事らは先週、これを認めない判断を下した。
300以上の罪に問われているカストロ被告の弁護団は、これまでの公判で大部分の罪を認めた。弁護団は検察が加重殺人罪で死刑を求刑しなければ、妊娠中だったナイトさんに暴力を振るい流産させたことについて有罪を認めるとしている。(c)AFP/Mira OBERMAN