【10月5日 AFP】長期の病気休暇を少なくとも3年に1回取っている人は、早死にする確率が高いとするロンドン大学の研究チームの研究成果が、3日の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)」に発表された。同大で疫学研究を行うジェニー・ヘッド(Jenny Head)氏率いるチームは、生死にかかわる問題を持つ患者を医師が特定するのに役立つ結果だと述べている。

 同チームでは1985-88年の間に35-55歳だった英国の公務員約6500人の病気による欠勤記録を入手し、このグループの2004年までの死亡率と照合した。その結果、頻繁に病欠していた人ほど死亡率が有意に高かったことが分かった。

 例えば、少なくとも3年に1度、医療機関の証明をともなった7日以上の病欠があった人の30%近い人が、そうした欠席のなかったグループに比べ、早死にするリスクが66%も高かった。

 疾患の内容別では特に、循環器系と精神的疾患を持つ人の死亡率が高かった。一方、腰痛や首痛が原因で病欠した人たちについては、特に死亡率が高まるという傾向はなかった。

 この論文は、緊急に治療する必要がありながら顕在化していない健康障害を医師が速やかに把握する上で、長期病欠の有無が有用な指標になりうると示唆している。また、ストレスや激務にさらされている労働者を特定し、医師の治療を受けさせるためにも役立つという。(c)AFP