米ネブラスカ州「赤ちゃんポスト」法を改正、生後30日以下に制限
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【11月22日 AFP】養育能力のない親が子どもを医療機関に放置することを認める州法を施行した結果、10代の子どもまで置き去りにする例が相次いだ米ネブラスカ(Nebraska)州の州議会は、置き去りを認める子どもを生後30日以下に制限したこの法律の改正案を可決した。
この州法を起草したアーニー・スタスマン(Arnie Stuthman)上院議員によると改正案には「生後30日間以内の新生児」という条件が明記された。州議会は21日改正案を43対5で可決し、同日午後デーブ・ハイネマン(Dave Heineman)州知事が署名して成立した。
スタスマン議員の側近によると、改正法では「ネブラスカ州が認可した医療機関が雇用する者の保護監督下に、生後30日もしくはそれ未満の子どもを置き去る行為のみを理由として、何人も何らかの罪を問われ起訴されることはない」と定められた。
この州法は7月に施行されて以降、これまでに約35人の子どもが病院などに放置され、うち5人はフロリダ(Florida)、ジョージア(Georgia)、ミシガン(Michigan)など他州から連れてこられていた。年齢制限がなかったため17歳の子どもが放置された例もあった。
同州の社会サービスに関する広報担当者によると、9月14日には1日だけで、1歳から17歳までの子ども11人が病院に置いていかれたが、9人は同じ家庭の子どもたちで、養育困難になった父親が放置したものだった。
預けられた子どもたちはその後、養子縁組されたり児童養護施設に入所しているが、改正法施行後は、子どもたちの行き先は裁判官が決定する。
同州の児童家庭サービス局のトッド・ランドリー(Todd Landry)局長は、問題行動で親の手に負えなくなり州当局に預けられた子どももいるが、大半の子どもたちはごく普通のティーンエージャーであり、特別な医療治療の必要はないと述べた。
オマハ(Omaha)にあるイマヌエル医療センター(Immanuel Medical Center)救急科のリンダ・ジャンセン看護師はUSAトゥデー(USA Today)紙に対し「自分がどうしてここにいるのか分かっている子どももいれば、分かっていない子もいる」と語った。ほかの看護師は放置された子どもが「いい子にする、いい子にする、家に帰れるならいい子にするから」と泣き叫ぶのを聞いたと述べた。(c)AFP