映画『ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ』監督インタビュー
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【12月10日 MODE PRESS】20世紀のファッション界に君臨した一人の女性、その伝説の生涯と想像の秘密に迫るドキュメンタリー映画『ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ』が12月22日から全国順次ロードショーを開始する。
今作で監督を務めたのは、ダイアナ・ヴリーランド(Diana Vreeland)の孫のアレキサンダー・ヴリーランド(Alexander Vreeland)を夫に持ち、自身も長年ファッションと芸術の世界に身を置いてきたリサ・インモルディーノ・ヴリーランド(Lisa Immordino Vreeland)。ヴリーランド家の一員だからこそ、描き出せたダイアナの意外な側面は、観る者の心を大きく揺さぶる。
■インタビュー:リサ・インモルディーノ・ヴリーランド/監督、プロデューサー
私は大学時代に「ハーパース・バザー(Harper's BAZAAR)」と「ヴォーグ(VOGUE)」で、ダイアナ・ヴリーランドが創るページに魅了され、彼女という存在にも心奪われました。その後、私は彼女の孫と恋に落ち、ヴリーランド家のメンバーとなりました。残念ながら生前の彼女に会うことはできませんでしたが、彼女を知れば知るほど、私は彼女が創り上げた世界に夢中になりました。
これまで彼女のことを扱った作品や自叙伝はいくつかありましたが、今回私がこの映画のもととなる本(DIANA VREELAND:THE EYE HAS TO TRAVEL)を作ろうと考えたのは、こんなに魅力的で独創的な女性について、その生涯や業績を全て辿るような作品がないことはとても惜しい気がしたからでした。でも、これまでにそのような作品がなかったのは、やるからには非常に高いクオリティが求められ、彼女のアーカイブにもアクセスできなければならない、しかもアクセスするには沢山の人々の協力を仰がなければいけないという、多くのハードルがあったからでした。
お陰様で、私はヴリーランド家の一員として、さらに彼女に魅了された者の一人として、各所の信頼を得ていくことで、ダイアナ・ヴリーランドのアーカイブや「ハーパース・バザー」、「ヴォーグ」、さらには衣装研究所のアーカイブへのアクセスを許されるところとなりました。
そこから本の制作のためにリサーチをしていくにつれ、私はダイアナの本当の強さや繊細さは、彼女という存在が生き生きと蘇る3次元の媒体を通じて伝える必要があるのではないか、そうすべきだと感じました。映画は、ダイアナ・ヴリーランドという女性の独特で想像力豊かなキャラクターや生き方を伝えるのに最も効果的な媒体でした。私は彼女の伝説的な人生をドキュメンタリー映画で描こうと決めました。
映画は、伝説のファッショニスタに関する単なる親密なポートレイトには留まりません。フィルム、写真、アニメーション、グラフィックス、テキスト、音、さらに音楽を通して、視覚的にも聴覚的にもヴリーランドの人生をとらえることができた作品になったと思います。強くて、雄弁で、時に非常に大げさな彼女自身の声と人格も、私たちをヴリーランドの人生、冒険、業績、そして情熱へと導いてくれます。
「ヴォーグ」編集長と聞くと、若い人たちは誰もがアナ・ウィンター(Anna Wintour)を思い浮かべるでしょう。ダイアナ・ヴリーランドについて話す際に、彼女を例にとって比較しようとする人も多いです。でも、私は劇中で彼女自身が言っているように、彼女は唯一無二の編集者だと思っているので、比較はできないし、その必要性もないと思っています。ダイアナの存在は今もなおファッション界に影響を与えているし、彼女が編集者の時代に掲載した写真やエピソードは今でもファッション界や編集者の間で話題になったりしています。それこそが、彼女が唯一無二の編集者だということを証明しているのだと思います。彼女は、自分の関わった2誌とも、ファッション雑誌を作っているというのではなく、自分たちの周りに起きている現況を伝える雑誌を作っているという感覚で仕事をしていたと言っていました。
彼女は単なる“ファッションの女帝”ではなく、それ以上の存在でした。雑誌や衣装展を通して、自身の想像力溢れる視点を外へと表現していきました。彼女は、人は個性的で独創的であることを教えてくれます。人生には色々なことが起こりうるということも思い出させてくれます。彼女は新しい経験や新しい考えを大事にし、それを私たちに届けてくれました。私がこの映画で目指したのは、世界に向けて心を自由に、さらに豊かにすること、そのために情熱を使うということでした。
ダイアナ・ヴリーランドは、幼い頃から“自分のスタイル”というものを意識し、さらに“インスピレーション”も大事にしていました。現代の人々にとって、この2つはとても大切なものですし、求めているものでもあると思います。是非、この作品を観て、ダイアナ・ヴリーランドという存在について深く知り、感じてもらえるものがあったら嬉しいです。
■PROFILE
25年の間ファッションと芸術の世界に身を置く。イタリアのポロ・ラルフ・ローレンのPRディレクターとしてファッション界のキャリアをスタートさせ、その後、女性のためのスポーツウェアブランド「Pratico」や、彼女自身のデザインによるカシミアニットのコレクションブランド「MAGO」の2つの会社を立ち上げる。これ以外にも、様々なイタリアのファッションブランドの顧問を務める。ダイアナ・ヴリーランドの孫のアレキサンダー・ヴリーランドと結婚。本作が初めての映画製作となる。
(c)MODE PRESS
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今作で監督を務めたのは、ダイアナ・ヴリーランド(Diana Vreeland)の孫のアレキサンダー・ヴリーランド(Alexander Vreeland)を夫に持ち、自身も長年ファッションと芸術の世界に身を置いてきたリサ・インモルディーノ・ヴリーランド(Lisa Immordino Vreeland)。ヴリーランド家の一員だからこそ、描き出せたダイアナの意外な側面は、観る者の心を大きく揺さぶる。
■インタビュー:リサ・インモルディーノ・ヴリーランド/監督、プロデューサー
私は大学時代に「ハーパース・バザー(Harper's BAZAAR)」と「ヴォーグ(VOGUE)」で、ダイアナ・ヴリーランドが創るページに魅了され、彼女という存在にも心奪われました。その後、私は彼女の孫と恋に落ち、ヴリーランド家のメンバーとなりました。残念ながら生前の彼女に会うことはできませんでしたが、彼女を知れば知るほど、私は彼女が創り上げた世界に夢中になりました。
これまで彼女のことを扱った作品や自叙伝はいくつかありましたが、今回私がこの映画のもととなる本(DIANA VREELAND:THE EYE HAS TO TRAVEL)を作ろうと考えたのは、こんなに魅力的で独創的な女性について、その生涯や業績を全て辿るような作品がないことはとても惜しい気がしたからでした。でも、これまでにそのような作品がなかったのは、やるからには非常に高いクオリティが求められ、彼女のアーカイブにもアクセスできなければならない、しかもアクセスするには沢山の人々の協力を仰がなければいけないという、多くのハードルがあったからでした。
お陰様で、私はヴリーランド家の一員として、さらに彼女に魅了された者の一人として、各所の信頼を得ていくことで、ダイアナ・ヴリーランドのアーカイブや「ハーパース・バザー」、「ヴォーグ」、さらには衣装研究所のアーカイブへのアクセスを許されるところとなりました。
そこから本の制作のためにリサーチをしていくにつれ、私はダイアナの本当の強さや繊細さは、彼女という存在が生き生きと蘇る3次元の媒体を通じて伝える必要があるのではないか、そうすべきだと感じました。映画は、ダイアナ・ヴリーランドという女性の独特で想像力豊かなキャラクターや生き方を伝えるのに最も効果的な媒体でした。私は彼女の伝説的な人生をドキュメンタリー映画で描こうと決めました。
映画は、伝説のファッショニスタに関する単なる親密なポートレイトには留まりません。フィルム、写真、アニメーション、グラフィックス、テキスト、音、さらに音楽を通して、視覚的にも聴覚的にもヴリーランドの人生をとらえることができた作品になったと思います。強くて、雄弁で、時に非常に大げさな彼女自身の声と人格も、私たちをヴリーランドの人生、冒険、業績、そして情熱へと導いてくれます。
「ヴォーグ」編集長と聞くと、若い人たちは誰もがアナ・ウィンター(Anna Wintour)を思い浮かべるでしょう。ダイアナ・ヴリーランドについて話す際に、彼女を例にとって比較しようとする人も多いです。でも、私は劇中で彼女自身が言っているように、彼女は唯一無二の編集者だと思っているので、比較はできないし、その必要性もないと思っています。ダイアナの存在は今もなおファッション界に影響を与えているし、彼女が編集者の時代に掲載した写真やエピソードは今でもファッション界や編集者の間で話題になったりしています。それこそが、彼女が唯一無二の編集者だということを証明しているのだと思います。彼女は、自分の関わった2誌とも、ファッション雑誌を作っているというのではなく、自分たちの周りに起きている現況を伝える雑誌を作っているという感覚で仕事をしていたと言っていました。
彼女は単なる“ファッションの女帝”ではなく、それ以上の存在でした。雑誌や衣装展を通して、自身の想像力溢れる視点を外へと表現していきました。彼女は、人は個性的で独創的であることを教えてくれます。人生には色々なことが起こりうるということも思い出させてくれます。彼女は新しい経験や新しい考えを大事にし、それを私たちに届けてくれました。私がこの映画で目指したのは、世界に向けて心を自由に、さらに豊かにすること、そのために情熱を使うということでした。
ダイアナ・ヴリーランドは、幼い頃から“自分のスタイル”というものを意識し、さらに“インスピレーション”も大事にしていました。現代の人々にとって、この2つはとても大切なものですし、求めているものでもあると思います。是非、この作品を観て、ダイアナ・ヴリーランドという存在について深く知り、感じてもらえるものがあったら嬉しいです。
■PROFILE
25年の間ファッションと芸術の世界に身を置く。イタリアのポロ・ラルフ・ローレンのPRディレクターとしてファッション界のキャリアをスタートさせ、その後、女性のためのスポーツウェアブランド「Pratico」や、彼女自身のデザインによるカシミアニットのコレクションブランド「MAGO」の2つの会社を立ち上げる。これ以外にも、様々なイタリアのファッションブランドの顧問を務める。ダイアナ・ヴリーランドの孫のアレキサンダー・ヴリーランドと結婚。本作が初めての映画製作となる。
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