【4月10日 AFP】仏「クリスチャン ディオール(Christian Dior)」は9日、ラフ・シモンズ(Raf Simons)がアーティスティック・ディレクターに就任したと発表した。

 ベルギー出身のシモンズは、現在44歳。「クリスチャン ディオール」のウィメンズのオートクチュール、プレタポルテ、アクセサリーを担当する。デビューコレクションは、パリで今年7月に開催される12/13年秋冬オートクチュール・コレクションになる予定だ。

 ディオール側は「現在最も素晴らしい才能を持つひとりであるシモンズを迎えとても興奮しています」と声明を発表。「ムッシュ ディオールの初のコレクションは、世界中のエレガンスのコードを根本的に変えました。創始者の遺産を受け継ぎ、シモンズとディオールはその象徴的なスタイルを21世紀に推し進めることでしょう」と期待を寄せた。

 シモンズは「私にとってムッシュ ディオールは、最も刺激を与えてくれるクチュリエ。世界中でディオールの名は究極のエレガンスと洗練の象徴です。世界で最も高名なメゾンのアーティスティック・ディレクターになることを、恐縮するとともに大変光栄に思っています」と語った。

 ベルギーのニールペルト郊外で生まれ育ったシモンズは、工業デザインを専攻。その後、家具デザイナーとして働いたが、ウォルター・ヴァン・べイレンドンク(Walter Van Beirendonck)の元でインターンを経験し、ファッションに目覚めた。デビューは95年のミラノ。自身のブランド「ラフ シモンズ」を立ち上げ、メンズウェアを披露した。99年から00年にかけては、ヴェロニク・ブランキーノ(Veronique Branquinho)とともに「ルッフォ リサーチ(Ruffo Research)」をデザイン。その後00年から5年間にわたり、ウィーンの大学でファッションデザインを教えながら、自身のブランドを展開。05年に「ジル・サンダー(JIL SANDER)」のクリエイティブ・ディレクターに就任したが、12/13年秋冬シーズンを最後にブランドを去った。

 11年にはイエール国際モード・フェスティバル(International Festival of Fashion and Photography)に審査委員長として参加。若手デザイナーについて「もし真のメッセージを持ち、本当に伝えるべきストーリーをもっているならば、ファッションの世界は彼らに追随するでしょう」と語った。(c)AFP

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