【10月7日 MODE PRESS】エルメス(HERMES)製作映画『ハート&クラフト(Hearts and Crafts)』が9月30日から東京・銀座のメゾンエルメス10階ル・ステュディオで公開開始となった。2011年のエルメス年間テーマ「現代(いま)に生きるアルチザン」に呼応するように生まれた同作品は、フレデリック・ラフォン(Frédéric Laffont)、イザベル・デュピュイ=シャヴァナ(Isabelle Dupuy-Chavanat)両監督によるもの。エルメスのアトリエで働くさまざまな職人たちに焦点を当てたドキュメンタリー作品は、早くもエルメス愛用者の間で話題になっている。公開に先駆けて開催されたプレス向け試写会にはイザベル監督も来日し、本作品について語った。

~この作品を通して伝えたいことは何ですか?~

 いつも「職人」というジャンルの仕事をしている人々に魅力を感じていました。決して派手ではありませんが、ものづくりと真摯に向き合う姿はとても魅力的です。

 世界中にわたって同じ問題を抱えていると思いますが、現代において彼ら(職人)は非常に脆い状況に置かれていると思います。働く環境について、後継者について、彼らを取り巻く社会環境についてと問題は尽きません。我々は何らかの救済策を考えなければいけない。しかし同時に彼らはまだ現役の生き生きした存在であり、今も活躍している。彼らは化石ではないのです。これからはむしろ若い人々が自分の道として、そして才能を発揮する手段として未来を開く可能性にひめた道でもあります。それをこの作品を通して伝えたい。

 現代では時間の流れが速いので、守らなければ壊れるものが沢山あります。伝統も技術も同じです。時間という概念は非常に大事なことです。1つの作品に時間を費やすということはとても重要ですが、経済的にはそれが難しいこともある。しかし、エルメスはそれを実現し、守り伝えていくということができる。それがどれほど大きな意味があるか、それについては常に時代が証明していると思います。【岩田奈那】(c)MODE PRESS

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