【7月5日 AFP】仏高級ファッションブランド「クリスチャン ディオール(Christian Dior)」は4日、フランス・パリ市内のロダン美術館(Musee Rodin)で11/12年秋冬オートクチュールコレクションを発表した。

■ゲイテン率いるデザインチーム

 コレクションを手がけたのは、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)の右腕を長年務めたビル・ゲイテン(Bill Gaytten)率いるデザインチーム。フィナーレには、ゲイテンと共にファースト・アシスタントのスザンナ・ヴェネガス(Suzanna Venegas)が登場し、ゲストたちに挨拶した。

 ガリアーノがいない中でデザインすることについて、ゲイテンは「それほど難しいものではない。より自立性を求められるが、自由の幅が多少ひろがった」 とバックステージで語る。

「近年アーカイブにそった作品を数多く手がけた」ことから、今回はメゾンのアーカイブよりも、80年代のパリのナイト・シーンやフランク・ゲーリー(Frank Gehry)の建築物、ジャン・ポール・グード(Jean-Paul Goude)のアート作品といった多彩な要素から得たインスピレーションをデザインに取り入れた。モデルの頭には月や星、円などを模ったユニークなヘッドドレスを飾った。

■ゲストの感想は・・・

 ショーを見守った「ヴォーグ ジャパン(VOGUE JAPAN)」のアンナ・デッロ・ルッソ(Anna Dello Russo)ファッション・ディレクターは「ジョンがいなくて、とても寂しいです。この15年間、彼の驚くようなクチュールとともに育ったので、甘やかされてしまったみたい。彼の作品はパーフェクトで、一分の隙も無く、非の打ちどころがなかったから」とコメント。

 さらに、今回のコレクションについて「新たなリアリティも興味深いものだった。いくつかのアイデアは素晴らしかった」加えた。

■後継者はいまだ未定

 人種差別的な発言をしたとして起訴されたガリアーノが今年3月に「クリスチャン ディオール」を去ってから4か月が経過したが、いまだ後継者は決まっていない。

 シドニー・ トレダノ(Sidney Toledano)社長兼CEOは後継者探しについて「特に急いでいない。女性にいつ結婚するか尋ねたら、『自分にぴったりの男性を見つけた時』と答える だろう。それと同じことだよ」とコメント。また、既に“全ての選択肢”について検討中であることを明かした。(c)AFP/Gersende Rambourg

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