【5月9日 AFP】(一部更新、写真追加)アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)の回顧展「Alexander McQueen: Savage Beauty」が、米ニューヨークのメトロポリタン美術館(Metropolitan Museum of Art)コスチューム・インスティチュート(Costume Institute)で8月7日まで開かれている。

 会場では、1992年に発表された英セントラル・セント・マーチンズ(Central Saint Martins College of Art and Design)の卒業コレクションから、2010年3月に発表されたマックイーン氏によるラストコレクションまでの代表作を展示。19年間というキャリアの中で生み出された100着あまりのドレスや洋服など、約70点のアクセサリーを公開している。

■美術館の宝物と相応しい作品群

 同美術館のキュレーター、アンドリュー・ボルトン(Andrew Bolton)は、「今回の回顧展は、メトロポリタン美術館の他の宝物と並ぶに相応しい」と語る。「グロテスクで、おぞましく、崇高なものに魅了されたマックイーンは、偉大な芸術家に匹敵する人物でした」

 2010年2月にブランドの創設者であるマックイーンが自ら命を絶った後、ブランドを引継ぎ、英キャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)のウエディング・ドレスをデザインした現クリエイティブ・ディレクター、サラ・バートン(Sarah Burton)も「本物の天才でした」と類まれな才能を振り返った。

■ロマンティックなマックイーンの世界

 作品は、「ロマンティック・マインド(Romantic mind)」「ロマンティック・ゴシック(Romantic Gothic)」「ロマンティック・ナショナリズム(Romantic Nationalism)」「ロマンティック・エキゾチズム(Romantic Exoticism)」「ロマンティック・プリミティヴィズム(Romantic Primitivism)」「ロマンティック・ナチュラリズム(Romantic Naturalism)」などテーマに合わせて展示される。

 これについてバートンは「彼は感傷的で憂わしいこの世において、本当にロマンティックな人物でした」とコメント。マックイーンも生前、「僕は、 ロマンティックな統合失調症なんだ」と自らについて語っていた。(c)AFP/Paola Messana

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