【7月10日 AFP】(一部更新、写真追加)米テキサス(Texas)州ヒューストン(Houston)近郊スプリング(Spring)で9日、男が元妻の姉妹夫婦の家に銃を持って押し入り、一家の子ども4人と夫婦を殺害する事件があった。地元警察が発表した。

 逮捕されたロナルド・リー・ハスケル(Ronald Lee Haskell)容疑者(33)は翌10日、殺人罪で訴追された。有罪の場合、死刑が言い渡される可能性がある。11日には罪状認否が行われる予定。現時点で動機は不明だが、地元警察は家庭内のトラブルが原因とみている。

 警察によるとハスケル容疑者は、宅配会社フェデックス(FedEx)の配達員を装って元妻の姉妹の自宅を訪れると、元妻のメラニー・ハスケル(Melannie Haskell)さんとの面会を要求した。だがメラニーさんがこの家にいないことが分かると、容疑者は一家の長女で、自分のめいにあたるキャシディ・ステイ(Cassidy Stay)さん(15)を縛った。

 一家全員が帰宅すると、ハスケル容疑者はさらに長男(13)と次女(9)、三女(7)、次男(4)の子ども4人と、両親のスティーブン・ステイ(Stephen Stay)さん(39)とケイティ・ステイ(Katie Stay)さん(33)夫妻も縛り上げた。

 裁判所の文書によると、ハスケル容疑者はその後、一家全員の後頭部に「処刑スタイル」で銃弾を撃ち込んだ。キャシディさんのみが一命を取り留め、容疑者が次にキャシディさんの祖父母の家に向かったことを警察に通報した。キャシディさんはその後、病院に搬送されたが、重体となっている。

 通報を受けた警察は、20分以上にわたりハスケル容疑者を追跡。追い詰められた容疑者は、警官約50人が銃を向け包囲する中、自家用車の車内に数時間にわたり閉じこもった末に、投降して身柄を拘束された。

■ドメスティック・バイオレンスで逮捕歴

 ハスケル容疑者が住む米西部ユタ(Utah)州キャッシュ(Cache)郡の裁判所文書によると、今年2月に離婚したことを容疑者はつらく感じていたとされる。また、元妻メラニーさんとの間の子どもにとって容疑者は「危険な存在」とみなされていた。

 地元メディアによれば、ハスケル容疑者は08年に逮捕されたことがあるが、このときの容疑は、ドメスティック・バイオレンス(DV、配偶者や恋人などが振るう暴力)、単純暴行、子どもの目前での暴力行為だった。

 米国では銃による重大事件が後を絶たない。ここ2か月ほどでも、5月23日のロサンゼルス(Los Angeles)近郊での学生による6人殺害(容疑者は自殺)、6月5日のシアトル(Seattle)の大学での銃乱射事件(死者1人、負傷者2人)の他、6月には米ラスベガス(Las Vegas)の夫婦による警官2人と市民1人の射殺(容疑者2人は自殺)、オレゴン(Oregon)州の高校での生徒射殺と立て続けに起きている。(c)AFP