【7月2日 AFP】国連(UN)の世界食糧計画(World Food ProgrammeWFP)と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は1日、アフリカの難民およそ80万人に対する食糧配給量を削減したことを明らかにした。各国政府による任意の拠出金の不足が理由で、多くの難民が飢餓の危険にさらされる可能性があると警告している。

 WFPとUNHCRが共同で発表した声明によると、食糧配給量の削減は最大60%で、「子どもたちを中心に、すでに受け入れ難い水準にある急性栄養不良や成長阻害、貧血症の状況が一層悪化する危険がある」。両機関の代表はスイス・ジュネーブ(Geneva)で同日、各国政府に対しさらなる支援金の拠出を呼び掛けた。

 WFPは資金不足により、支援を実施しているアフリカの22か国の難民約240万人の3分の1にあたる約80万人分の食糧配給量を削減した。さらに、その80万人のうちの半数以上は、配給量が少なくとも50%減らされる。

 アフリカ全域で従来どおりの配給量を提供し、その後の削減を防ぐためには、WFPは年末までに1億8600万ドル(約190億円)、UNHCRは3900万ドル(約40億円)が必要だという。

 配給量を削減された難民たちは、食糧の確保に必死だ。働き口を探すために子供は学校をやめたり、幼い娘を嫁がせたりする家庭も増えている。

 このほか声明は、少女を含め女性たちが食糧を買うお金を稼ぐために行う「生存のためのセックス(Survival sex)」と呼ばれる売春行為を、深刻化する問題の1つとして指摘している。(c)AFP/Nina LARSON