【5月16日 AFP】北朝鮮が新造した軍艦2隻を衛星画像で確認したと、米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)のシンクタンク「米韓研究所(US-Korea Institute)」が16日、発表した。北朝鮮が建造した軍艦としては過去25年で最も大きいとして、対北朝鮮制裁の実効性に警鐘を鳴らしている。

 同研究所によると、最近撮影された商業衛星写真で、北朝鮮西部の南浦(Nampo)と北東部の羅津(Rason)の造船所に新しいヘリコプター搭載フリゲート艦が1隻ずつ停泊しているのが確認できたという。

 同研究所のブログ「38ノース(38 North)」に掲載された分析記事によると、2隻は2011~12年に就役したもので、韓国が90年代初頭から潜水艦を導入し始めたことに脅威を感じた北朝鮮政府が対抗手段として設計したという。ただ、日本や韓国、中国に対する国家安全保障上の要請から、2隻が漁業水域のパトロールにも使われる可能性もあると、同研究所は指摘している。

 2隻が完全に稼働するまでにはまだ数年かかるとみられるが、同研究所は2隻の導入について、北朝鮮の海軍戦略がヘリコプターを使用した対潜作戦も包括するようになる「革命的な一歩」かもしれないと分析している。

 同研究所はまた、2隻に加え北朝鮮が新しい艦艇を長期にわたる経済制裁下で行ったことを指摘し、対北朝鮮制裁の実効性を見直す必要があるかもしれないと注意を喚起している。(c)AFP