中国のフィリピン船妨害は「挑発的」、米政府が批判
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【3月13日 AFP】米国は12日、南シナ海(South China Sea)で中国の海洋当局の船がフィリピンの船2隻の航行を妨害したことについて、「緊張を高める挑発的な行為」だと批判した。フィリピン政府は南シナ海における航行の自由を強く主張している。
この問題は9日、フィリピンが実効支配している南シナ海のアユンギン礁(Second Thomas Shoal、中国名:仁愛礁、Ren'ai Reef)に向けてフィリピン海軍の物資と人員を輸送中のフィリピンの民間船が、中国海洋当局の船によって航行を妨害されたもの。
フィリピン政府は11日、首都マニラ(Manila)に駐在する中国代理大使を呼び、フィリピンの国益に「差し迫った明白な脅威」をもたらしたと中国政府に強く抗議した。これに対し中国政府は、問題の船が「中国の領土主権を侵害」し、2002年の「南シナ海における関係国行動宣言」(南シナ海行動宣言)に違反したと反論していた。
しかし、フィリピンと相互防衛条約を締結している米国は、中国のフィリピン船妨害に「苛立ちを感じる」と表明。米国務省のジェン・サキ(Jen Saki)報道官は、「緊張を高める挑発的な行動だ」「領有権を主張する国の現状を維持する行動に対し妨害があってはならない」などと中国を批判。南シナ海行動宣言の合意以前から、関係各国は問題の海域で「定期的な補給と人員の交代」を行う権利を有していると述べ、中国側の主張を一蹴した。
アユンギン礁は、フィリピン・パラワン(Palawan)島から西に約200キロの南沙諸島(英語名:スプラトリー諸島、Spratly Islands)の海域にあり、フィリピン、中国、台湾が領有権を主張している。(c)AFP