【2月24日 AFP】エジプトのムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領をスパイ罪に問う裁判で、検察側は23日、モルシ氏がエジプトの不安定化を謀りイランの革命防衛隊(Revolutionary Guards)に国家機密を漏らしていたと主張した。

 同裁判は、モルシ氏がかけられている3つの裁判のうちの1つで、昨年7月の大統領職解任以来、モルシ氏とその出身母体のイスラム組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」に対し政府が容赦なく実施してきた弾圧の一環だ。裁判が始まった2月16日以来、2回目となった23日の公判では、モルシ前大統領と他の被告らに対する罪状の詳細が明らかにされた。

 検察側は、モルシ前大統領とムスリム同胞団指導部を含む他35人を、外国勢力やパレスチナのイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)、イスラム教シーア派(Shiite)が多数を占めるイランと共謀してエジプトを不安定化したと主張。「国家の治安と安全を不安定化するため、外国に…国家防衛機密を流し、またイランの革命防衛隊に治安報告を提供した」と述べたが、「外国」がどの国を指すかには言及しなかった。

 検察側は、モルシ前大統領ら被告は2005年から2013年8月の間、「混乱を拡大し国家転覆を狙ったテロ攻撃を国内で実行するため、国際的なムスリム同胞団の組織とハマス」の代理としてスパイ活動を行ったと述べた。

 ムスリム同胞団のパレスチナ支部を母体に設立され、ガザ(Gaza)地区を支配するハマスは、モルシ前大統領が在任した1年間にエジプトとの関係を大きく強化していた。(c)AFP/Tony GAMAL-GABRIEL