【1月25日 AFP】英国では性差別は違法とされているにもかかわらず、一部の職場では、ハイヒールと金髪と化粧といった「ドレスコード」が女性たちに課されている。英議会の調査報告書が25日、発表された。

 女性が職場でどのような経験をしてきたかについて、議会の請願委員会 と女性・平等委員会が調査を行うきっかけとなったのは、昨年ロンドン(London)のコンサルティング会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)に受付係として採用されたニコラ・ソープ(Nicola Thorp)さんに対してとられた会社側のある行為が問題視されたためだ。

 ソープさんは、高さ5~10センチのハイヒールを履いて出社するよう会社側から求められたが、同様の規定が男性には課せられていないとしてこれを拒否したところ、帰宅を命じられ、日給も支払われなかったのだ。

 この一件を機に、ソープさんは女性に対する職場の服装規定の改正を求めた。この運動には15万を超える署名が集まり、議会委員会の調査にもつながった。

 発表された報告書には、「多数の女性たちが、職場での長期にわたるハイヒールの着用による痛みや長期的な悪影響について訴えていることが明らかになった。また、髪をブロンドに染めることや、露出度の高い服装の着用、さらには化粧直しを欠かさないよう職場から求められたと話す女性たちもいた」と記された。

 英国の法律は企業に対し、服装規定を設けることを認めているが、同規定による女性差別は禁じている。(c)AFP