【10月18日 AFP】東京では、着物が雨に打たれていた――アメリカ在住の日本人ロックスター、ヨシキ(Yoshiki)が手がける「ヨシキモノ(YOSHIKIMONO)」が17日、「アマゾン ファッション ウィーク 東京(Amazon Fashion Week TOKYO)」17年春夏コレクションのオープニングを飾った。ランウェイでは、セクシーに再解釈された着物をまとったモデルたちが雨の演出のもと登場した。

 純粋なハイファッションの求道者ではないかもしれない。しかし、金髪とアンドロジナスなルックスで知られるエックス・ジャパン(X JAPAN)創設メンバーのヨシキが、今シーズンの東京コレクションのトップバッターだ。

 音楽ファンや芸能メディアも押しかけた会場では、華やかな衣装に身を包んだヨシキがトレードマークであるクリスタルピアノを弾き、女性バイオリニストと共演。しっとりとした演奏に合わせ、伝統的なスタイルの着物をまとったモデルたちが登場する。着物には真っ赤なレザーやスネークスキン柄、メタリック加工などが取り入れられていた。

 そして突然、稲妻と嵐の効果音が鳴り響いたかと思うと、ランウェイ中央の黒い幕が開き、今度はヨシキの激しいドラムソロがスタート。それに合わせ、着物のテイストを取り入れたストラップレスのカクテルドレスをまとったモデルたちが現れる。モノクロの格子柄やゼブラ、ダルメシアンプリント、色も赤やピンクなど様々。そこに天井から雨が降り注ぎ、クライマックスには透明な着物に帯を合わせ、胸もあらわなモデルが登場した。

■マックイーンからインスパイア

 雨の演出は、英デザイナーのアレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)が1998年に披露したファッションショーにインスパイアされたものだとヨシキは語る。

 ヨシキはロックとクラシックの枠を超越したミュージシャン。呉服屋の息子として育ち、日本の伝統的文化にも情熱を注いでいる。「ロサンゼルスに住んで20年ほどになるが、海外にいると日本文化の大切さにより気づかされる。日本の食文化も世界各国で見かけるが、とてもいいことだと思うので着物文化も同じようになっていてほしい」

 3日前まで開催されていた音楽フェスティバルで多忙を極めていたヨシキ。今回のショーで披露した音楽すべて即興演奏だったという。「演奏する際は、自分ではなくあくまで着物が主役。いかに引き立てるかを意識して演奏した」

 ヨシキにとって2度目の東京コレクションとなったが、将来的にはメンズやキッズの着物も手がけていきたいという。

「アマゾン(Amazon)」が冠スポンサーとなった今回のファッションウィークは今週22日まで開催され、約50の注目ブランドが参加。5万人の動員が見込まれている。(c)AFP/ JENNIE MATTHEW