希少なグレーパールネックレス競売へ、 落札予想価格は最高8億円
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【9月14日 AFP】かつて英貴族が所有していた希少なグレーパールのネックレスが、来月香港(Hong Kong)でオークションにかけられる。競売大手サザビーズ(Sotheby's)が発表した。落札価格は最高で700万ドル(約8億4900万円)にも上ると予想されている。
これは、19世紀末から20世紀初頭にかけてのコレクションで有名なカウドライ(Cowdray)子爵夫人、レディー・ピアソン(Pearson)が収集していたアイテムの一つ。
サザビーズが「華麗な宝石(Magnificent Jewels)」をテーマに開催する秋季セールの一環で競売にかけられるもので、同社は最低でも450万ドル(約5億4600万円)以上での落札を見込んでいる。
このネックレスは2012年に英ロンドン(London)でクリスティーズ(Christie's)でオークションにかけられた際にも、天然のグレーパールとしては史上最高の335万ドル(約4億円)で落札された。
サザビーズはこのネックレスについて、天然海水グレーパール42粒をあしらった「カルティエ(Cartier)」製で、「最高級かつ最も希少なグレーパールネックレスの一つ」と説明している。さらに、これにマッチするイヤリングも合わせて出品される。
この「カウドライ・パール」コレクションは香港でのオークションに先立ち、米ニューヨーク(New York)、ロンドン、スイス・ジュネーブ(Geneva)、台湾・台北(Taipei)など世界各地で展示されることになっている。
サザビーズのアジア地区副代表を務める郭進耀(Quek Chin Yeow)氏は、「天然の海水グレーパールがオークションに出されることは珍しく、しかも貴族に所有されていた42粒の最高級グレーパールのネックレスとなれば、現存する類似品の中でも間違いなく最高の逸品」だとしている。
このネックレスについてはスイス・ジェモロジカル・インスティテュート(SSEF)も、由緒の正しさがしっかり文書化されている点で「傑出している」と評価していると、サザビーズは紹介している。
カウドライ子爵夫人は1932年に死去。1937年に初めて、所蔵していたパールがオークションにかけられた。同夫人は宝石以外に、家具や美術品のコレクションでも知られている。サザビーズによると、現在の所有者は匿名を希望しているという。(c)AFP