【7月16日 MODE PRESS】冬ソナを皮切りに、いくつもの韓国ドラマが日本でも注目されてきたが、その多くが「純愛」がテーマであるといっても過言ではないだろう。本連載第3回目では、アジア圏のイタリアと呼ばれる程、恋愛にまつわる風習の多い韓国の恋愛観とカップル文化を探っていこうと思う。

■たくさんのカップル記念日

 まず始めに驚いたのが女の私でも覚えきれない程の記念日の数である。
バレンタインデーを始めとし、3月14日はホワイトデー、4月14日はブラックデー、5月14日はローズデー、6月14日はKissデーといったように恋愛に関する記念日イベントが毎月14日に用意され、それぞれの記念日にきちんとしきたりが用意されているのもまた面白い。その中でもブラックデーは韓国特有のイベントとも言われ、バレンタインデーやホワイトデーで贈り物を受け取れなかった人、恋人ができなかった人同士が黒い服を着て集まり韓国の真っ黒なジャージャー麺を食べる日とされている。

 さらには、日本でも馴染みのある11月11日のポッキーの日までもが恋愛の記念日となっている。ポッキーでハートの形を作り、それを好きな人や恋人にプレゼントするといったイベントだという。また、韓国ではポッキーではなく「ペペロ」という商品名で売られているため、ペペロデーと言われ、ペペロデーが近づくと、スーパーやコンビニだけでなく、洋服屋さんや文房具店までもがペペロ一色になり、国民的行事と呼べる程に成長しているのだ。

■100日記念日

 付き合い始めた日を記念日とし、毎年その日をお祝いするカップルは日本でも少なくないだろうが、韓国には付き合ってから100日目を祝う「100日記念日」というイベントが存在する。

 今回のコラムを機に韓国人ブロガーを検索してみたところ、100日記念日のお祝いは、レストランで食事をするといったディナーデートのような内容ではなく、オシャレなカフェで彼が彼女にピアノ演奏や、歌をプレゼントするなど、まるでドラマのような演出を楽しむカップルもいるようだ。

■100に込められた意味とは・・・?

 また、韓国では、100日記念日の他、入試試験の100日前に受験生が「遊びおさめの酒」を飲んだり、徴兵中の軍人が入隊後100日目に最初の休暇をもらえたり、イベントのカウントダウンが100日前から始まったり、子供の誕生100日目を祝う百日というお祝いがあるなど、100にまつわる習慣が何かと多いように感じる。

 それは、100という数字は「完全」を意味し、100日後も何事もなく、ことがうまく運ぶようにという願いを込めるのだそうだ。

■カップルファッションからみる韓国のカップル事情とは?

 頻度はさほど高くないが、日本に比べて遥かに多いのが、ペアルックを着てデートするカップルである。特に20代前半くらいの若いカップルに多く、お揃いのTシャツでコーディネートすることを「カップルティー」と名前がついているほどである。

 また、日本と比べて街のショッピング街に下着屋さんの路面店が多く並び、ウィンドウには、お揃いの下着を身につけさせたカップル風のマネキンをディスプレイさせている。

 さらに、韓国のカフェやフード店に行くと「恋人席」と呼ばれる席があり、恋人たちが隣同士で座れるように用意されていることもある他、携帯会社の料金プランにも「カップルプラン」といった深夜間の通話が無料などといったサービスがあるほどカップルに寛大な体制が整っているようである。

 カップル用ソーシャルアプリ「Between」は、韓国の若いカップル5組に1組が使う程に成長した(2012年12月調べ)のもまた興味深い。

■アジア圏のイタリアと呼ばれ・・・

 一般的に、「韓国人男性はレディーファースト」と言われているが、さすがに個人差があるように思う。しかしこれだけカップルの為の環境が整っていれば恋愛をオープンに楽しむことができるだろう。記念日の贈り物やサプライズには時間やお金を費やしてしまいそうだが、恋人がいないとたくさんの記念日イベントに参加できず、少々肩身が狭い思いをしそうだ。

次回のテーマはファッションに戻り、韓国のECサイトについて探っていきます。【大田明弥】
■取材協力/エノク氏
(c)MODE PRESS

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