【2月12日 MODE PRESS】2月も半ばに差し掛かり、ショップのウィンドウはバレンタイン一色。春色のワンピースを買って、彼とちょうどいい身長差になるヒールを選んで、新作のリップをチェックして…2月14日を理由に思いっきりオシャレを楽しむ絶好の機会である。今回は、ファッションにおける女性らしさについて、探っていきたいと思う。

■ モテを狙うことが宿命?

私たち世代に例えると、学生の頃、赤文字系の雑誌に埋め尽くされていた言葉は、『モテコーデ』や『自分磨き』、『女子力アップ』だった。

中でも印象的だったのは、目立ってナンボのギャルが、正統派モテコーデ&モテメイクに大変身した企画である。編集企画とはいえ、髪を自然な茶髪に染め直したゆるふわウェーブヘアーに花柄ワンピを合わせ、優しいブラウンのシャドウにまつげをビューラーでカールさせたナチュラルメイクと、別人のような姿で微笑んでいる姿に衝撃を受けた。

自分磨きをして綺麗になれば、いい人(?)と巡り会えて玉の輿に乗れてこの先の人生HAPPY、だからオシャレをしようという一連の理由に基づいたものであった。

しかし、いくら学生とはいえ、日々さまざまな経験をすれば、玉の輿がゴールとされる受け身の考えでは女性としての幸せを掴めないことを知り、モテコーデを真似て不特定多数の異性にモテたところでそこに待っているのは、本当の幸せではない事も想像ができる。

誰が振り向くかもわからないモテコーデを忠実に守り抜くより、たった一人の好きな人のために『自分磨き(=ダイエットやお料理教室に通うなど)』をしたり彼の好みをリサーチしている女性のほうが魅力的に感じる。

■ 異性モテではないモテ

前回のコラムでは「年齢」をテーマに探っていったが、学生の頃植え付けられた『自分磨き精神』やいつまでも自分らしくありたいという女性としての美意識の目的は、必ずしも「異性モテ」ではない。女性のクローゼットのなかに1着はあるであろうボーダー柄のアイテムが、異性ウケしない!?と言う説が真実かどうかはさておき、当時の『モテコーデ』を忠実に守っていれば、私たちのファッションはここまで多様化しなかったではないだろうか。

■ オシャレを一緒に楽しむ、女友達という審査員

最近では、レストランや居酒屋さんに「女子会プラン」という私たち女性にとっては嬉しいプランがある。女性だけで来店すると特別なサービスが受けられるというもので、限定のスイーツが1品ついたり、中にはシャンパンボトルが1本サービスなんていうお店もあるくらいだ。

女子会って何をするの?と言われれば、女子が集まってお喋りするだけなのだが、時にはドレスコードを決めて、何でもない金曜の夜をうんとドレスアップして過ごす日もある。そんな時、女性同士の集まりのほうがファッションやメイクに気合いを入れることが多いのではないだろうか。新しく買ったカラコンを身につけても、似合わなければ変!とはっきり評価を受けられ、友達のバッグが可愛ければどこで買ったの?と情報交換の場になり、双方で高め合う事ができるのである。つまるところ、“着たい服を着る”というモテコーデそっちのけの根本的な話になってしまうが、その人らしい装いこそが、女性としての魅力を存分に引き出してくれるのではないだろうか。 【大田明弥】


-プロフィール-

モデル兼デザイナー兼ブロガー。1987年生まれ。杉野服飾大学卒業と 同時期に「リメイクができるモデル」として注目され、ブログへのアクセス数が急増。1日最高84万アクセスを記録したのち、リメイクブロガーとして「東洋 経済」やNHK「東京カワイイTV」日本テレビ「NEWS ZERO」などへ出演。現在は、企業や多数のアパレルブランドとコラボシリーズを発表するなど、デザイナーとして活動中。(c)MODE PRESS

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