3.11の大津波で南極に巨大氷山、欧州研究

08月10日 07:12


地球観測衛星エンビサット(Envisat)が撮影した2011年3月12日(左)と同3月16日のサルツバーガー(Sulzberger)棚氷付近の画像。右の画像で、棚氷が崩壊して氷山が出現したのがわかる(2011年8月9日公開)。(c)AFP/ESA


【8月10日 AFP】3月11日の東北地方太平洋沖地震で発生した大津波は、1万3000キロ離れた南極大陸の棚氷にも到達し、その一部を破壊して巨大な氷山を出現させた。欧州宇宙機関(European Space Agency、ESA)は9日、こうした論文を学術誌「Journal of Glaciology(氷河学)」電子版に発表した。  ESAの地球観測衛星エンビサット(Envisat)は3月12日、サルツバーガー(Sulzberger)棚氷の一部崩壊により出現した氷山を複数とらえた。同16日、これらの氷山は南極沿岸のロス海(Ross Sea)に流れ出していた。この中で最大のものは縦9.5キロ、横6.5キロもあり、表面積はニューヨークのマンハッタン(Manhattan)島よりやや大きかった。  気象庁によると、東北地方太平洋沖地震で発生した津波は高さが少なくとも23メートルに達した。エンビサットの画像を分析した米航空宇宙局(NASA)の専門家によると、津波の高さは南極大陸到達時には約30センチに減じていたが、そのリズミカルな上下運動は棚氷の堅固な構造に圧力を加え、大きな塊を分離させるには十分だったと考えられるという。(c)AFP